ハカナさんがきた!(2)着の巻

ハカナさんがきた! 着の巻 (HJ文庫)

ハカナさんがきた! 着の巻 (HJ文庫)

何気に楽しみにしてたんですよねこのシリーズ。

ストーリー

羽座間恭一(はざまきょういち)の元にハカナと名乗る奇怪な女が現れて、同居を初め、天賀産業の裏に隠れた恭一の父の陰謀に巻き込まれてから2週間が経過していた。相変わらずハカナは常識はずれな行動を繰り返していたが、この度バイトを始める事になった。彼女が異様に好むカレーパンの出身地――つまりパン屋である。
超常識知らずで超無愛想ではあるが超色っぽいボディを誇るハカナが巻き起こすトラブルと、恭一が家族同様に過ごしている美樹本家の皆様の温かい心遣いやら幼なじみの恋心やら幼女の愛情やら、まだまだ伸びてくる天賀産業の陰謀やら――を詰め込んだ変な話の第二弾です。

相変わらず

ヒロイン(?)のハカナは相変わらずのキワモノです。

――ぶう


「おっと悪い。屁が出た」

屁ですね。もうごまかしようのない程に屁です
一体どういう匂いなのか興味津々ですが、この通り本人に恥じらいが無いので多分匂いを嗅いでも楽しくないでしょう。恥じらってもらってなんぼ・・・というか脱線したので元に戻しましょう。
ちなみにハカナさんは勿論それなりに秘密を抱え持った人でありおっぱいぷるぷるの豊満ボディを持っているのですが、あけっぴろげで下品、デリカシーゼロって所がそれを裏切っているという感じですね。
まあ今回はおっぱいが半分くらい出ていてこぼれそうになっているメイド服とか着ますけど。まあいいや。
ちなみに本人が(恐らく)適当に考えたフルネームが「ハカナ・カしーパソ」であるという事がこの2巻で明らかになります。

美樹本家の人々

恭一の住むアパートの大家であり、恭一の習う空手の師匠が居る家でもあり、可愛い女の子の幼なじみがいる家であり、謎めいた幼女がいる家でもあります。家族同様に暮らしている気の良い人達ですね。

美樹本巌

鬼のような戦闘力を誇る鬼親父ですが、恭一を息子のように可愛がっている実の父のような存在。肝っ玉のでっかい男で、こういう父ちゃんって迷惑だけどいいなあ・・・と思わないでもない人物ですな。恭一とこの親父の組み合わせの話は悪くないですね。
オッサン的名言もあったりしますが、その辺りは是非本編で。

美樹本幸代

巌氏の奥様。
まあ色々気の効く奥さんで、恭一を可愛がっている。母ちゃん的母ちゃんですな。

美樹本由宇

多分本当のヒロインというか・・・表紙イラストにも堂々と登場しているのだけど・・・妹に良い所を持ってかれてます。
この話の根っこであり恭一の持つ特殊な力――「アナザー」と呼ばれるそこら中にある「霊子」とも呼ばれるものに干渉する力(アクセサー)を持つという秘密――を知らないために今イチ本編に関わりきれない薄幸少女。間違いなく恭一の事が好きなのだけど、その気持ちは今イチ本人には伝わっていないという所もちょっと可哀想だったりして。
ちなみに恭一の「叔母」となっているハカナの存在に嫉妬している所があり、ついでに最近仲のいい妹の奈々にも微妙に嫉妬している様な所もあったりと、乙女心は複雑なようですね。ハカナに対して妙な対抗心を燃やしたりする所もある可愛い娘です。
なんか今回は自分で作った料理を恭一に振る舞ったりしちゃったりしてますが、いいなあ・・・。

美樹本奈々

由宇の妹で小学生で内気だけど、実は恭一と同じ「アナザー」を見たり操ったりする力を持っているため恭一との精神的な距離が1巻の時と比べてグッと狭まっているロリ代表。ああ、青春時代にこんな幼女が近くにいたら、きっと道を踏み外したであろうという可愛い娘ですね。
何故かフォントマニア。今回は隷書体というフォントを手書きで書いてくれます。

「……れ、隷書体。左右にゆったりと広がる形がこの文字の特徴。……独特な芸術性があって、ハンコなどの印章彫刻に用いられることが多く、……女性にも人気」

まあ

今回も「アナザー」にまつわる天賀産業の魔の手が伸びてきてしまうので、後半はかなりきな臭い展開になってしまうんですが、それより前の日常パートの魅力が結構ありますね。その日常パートとアクションパートのギャップがまた楽しいです。
それに主人公の恭一少年が、捻くれるでも無く、ネクラでもなく、素直でストレートに良い少年なので、オジサンとしては見ていて楽しいですね。

総合

うーん・・・ギリギリカウント4.01で星4つ!
楽しんで読んでしまいましたね。変なコメディに変な会話。でも意外に良い感じの人間関係。今回は伏線も張られたので3巻が期待出来るようになったのも嬉しいです。
あとがきには「あと一冊くらいのエピソードでこの話はいっぱいいっぱい」って感じのコメントがあるんですけど、次の一冊とかはメインストーリーから逸脱して普通の学校編とかの日常短編とかどうかなあ・・・なんて思ったりしてます。
この感想では紹介しきれていませんが、他にもなかなか魅力的なキャラクターが増えてきましたんで、その辺り考えつつユルユルな感じの作品も読んでみたいですね。

感想リンク

Alles ist im Wandel
「Alles ist im Wandel」のコウさんとは比較的好みがリンクしている感じがあるかなあ・・・なんて何となく思っているんですけど・・・全力で嫌がられそうな気もするなw