鉄刃サザン

鉄刃サザン (HJ文庫)

鉄刃サザン (HJ文庫)

Alles ist im Wandelのコウさんが興奮気味なので早めに手をつけてみた一冊だったり。

ストーリー

少女が巨大な縛り付けられていた。アンドロメダのように生け贄として、である。
少女の名前は・ティマという。彼女はある街に偶然立ち寄っただけだったのだが、突然街の人間に襲われて、結果縛り付けられて何者かが訪れるのを待つだけとなってしまっている。助けを求めてはいたが・・・旅の仲間であるベゴニアも街の人間に同時に襲われてしまい、助けに現れてくれないのだ。
そんな時、異様な「がちゃがちゃ」「ぎりぎり」という音を立てて近づいてくる何者かの気配があった。何かが自分を求めて近づいてきているのだ! 何とかならないか!? と頭を巡らせていたその時、不意に声をかけられたのだ。

「おい嬢ちゃんよ、死んぢまうぞ、おい」

そこには、がちゃがちゃという音とは別に現れた奇怪な風貌の男が現れていた。全身を入れ墨で覆った巨大な男の姿。彼は名前をサザンと言った。
――呪いによって描かれた一つの出会いで始まる鉄拳制裁ファンタジーです。

これは良い

ウルヴァリンですね。
それをいっちゃーオシマイよ、って感じではありますが、真っ先に思い出してしまいましたね。
まあそんな感じの大男・サザンですが基本的に「すっきりさっぱりてきとう」という感じで三拍子そろったような単細胞系ですね。まあもちろん馬鹿という訳ではなくて、目的までの最短距離を犠牲を無視して突っ走るという意味においてですが。
彼の身体の秘密は実際にはもっとえげつなかったりしますが、それは本編で確認してもらうとして、なかなかヒーロー物としてはいいんではないでしょうか。

ヒロインズは

上記の少女ティマとそれについて旅するベゴニアの二人ですね。
話の展開からいって実は色々と訳ありなのはティマですが、とにかくこの二人はコンビでなかなか魅力的ですね。ティマは聡明で正義感が強く勇敢な少女、ベゴニアは無骨で愚直で忠義に厚い武人という感じです。
個人的にお気に入りはベゴニアですね。侍であり、強いんですが・・・こう、不器用な所がとても魅力的です。ベゴニアもサザンと同じ位単純明快な思考をするタイプですね。
まあ、最初のティマのイラストでなにやらスカートの下が色々とアレしそうな場面ではちょっとよろめきそうになりましたけど、なに、気のせいです。

総合

星3つにしてます。
非常にシンプルな作品作りですね。ヒーローものとして素直に楽しめるのではないでしょうか。
キャラクターの造形もなかなかですし、世界設定もうっとおしくならない程度に描写されていて程よい感じ。個人的にはもうちょっと展開に捻りが欲しかった所ですけど、熱い展開が好きって人にはおすすめなのかな? 個人的には苦手路線なんですけど、それでも普通に楽しめますね。
「ポリ黒」ファンの人は同じ作者なので読んでみても良いかもしれません。
イラストレーターはFBC氏ですが、動きがあって良いイラストを書いてくれていると思います。ちょっと分かりづらい絵もあったけど、少女キャラのアップだけとかの凡百な絵に陥ってない感じは好みですね。

感想リンク

Alles ist im Wandel  booklines.net  ウパ日記