嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸 (電撃文庫 い 9-1) | |
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面白い/つまらないはともかくとして、個人的には「Rー18指定」したい一冊。
読んでほしいけど、読んではいけない。
「電撃の選考会で物議をかもした」と紹介されているけど、さもありなんな一冊。
ストーリー
八年前、一つの誘拐事件があった町。
今は、連続殺人事件が起きている町。
みーくんはとにかく嘘つきで「嘘だけど」が慣用句。
まーちゃんはとにかく壊れていて「みーくんが大好き」。
「君、あの子達を拉致っちゃった?」
「うん!」
表紙イラストの可愛い女の子につられて買ってもいいけど、ちゃんと裏表紙も見よう。
可能ならカバー裏もひっくり返して見てみよう。
それでも読みたければもう買うしか無いだろう。
そういうストーリー。
何を言っても
そのままネタバレに繋がりそうで、現時点で大した事を書けそうにない。
同時にネタバレを避けて書いたら何を言っても魅力が伝わらないだろうという気がしないでもない。しかし凄いし、怖い。「マージナル」と似たようなネタを扱っているんだけど、危険指数はこちらの方がずっと上なような気がする。これは危険。
とにかく病院への片道切符ですね。それこそ「さっさと精神科いけ」なんですけど、登場人物が既に通院しているからもうどうしようもない。じゃあ作者にも薦めておこう。・・・作者も通院してそうだけどね。
乾いてる/腐ってる
みーくんとまーちゃんは一言で言えばこうなるな。
とにかく修復不可能なほどに「向こう側」だな。もうあまりにも傷が大き過ぎて「怪我があることすら分からない」位には向こう側だ。
だから明日、覚えていれば質問してみよう。
何で、あの子達を誘拐したんですか。
この2行で十分理解しがたい地平に足を突っ込んでいる感じが伝わると思う。
乾ききったユーモア
ちょっと不謹慎(?)だけど会話シーンで笑えてしまう所もあった。
「待ち合わせは何処にしましょうか」
「暗いところで」
本来なら軽妙な持ち味として評価されそうな言葉の選び方が、怖い。
総合
星5つ。
でもR−18に指定したい。というかこれを楽しめるの子供は何か間違っているような気すらする。
読むなとは言わないけど、心して読んでほしい。
実は是非読んでほしいけど、読めと言えない。
もどかしい。とにかくまとまりに欠けるので、そのうち追記するかも知れないけど・・・そんな感じ。
イラストは左氏です。各章毎にイラストがあるのだけど、口絵カラーを除いて他にはイラストはありません。こういう見せ方に決めた編集は見事だと思う。
電撃文庫、恐るべし。
感想リンク
私はツボでしたけど、Alles ist im Wandelのコウさんが他の本を引き合いにだして真逆の方向に上手い事解説しているので、是非参考にしてみて下さい。