付喪堂骨董店(2)
付喪堂骨董店 2—“不思議”取り扱います (2) (電撃文庫 お 9-5) | |
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ストーリー
「アンティーク」と呼ばれる不思議な品物がある。
それは現代の科学では説明の出来ない奇怪な力を有した品物で、この物語の舞台となる「付喪堂骨董店」は普通のアンティークショップであると同時に、店長の道楽で、これらの不思議なアイテムを扱っている店。
この話は、アンティークと呼ばれるアイテムに翻弄される人々の欲望と、「付喪堂骨董店」でバイトをしている少年・来栖刻也(くるすときや)と少女・舞野咲(まいのさき)、そして道楽店長である摂津都和子の3人が織りなす、マジックアイテムストーリー。
待望の(?)第二巻です。
正直な印象として
地味だけどなかなか良いって感じでしょうか。
この本は4つの短編集という形で綴られていて、話一つにつき一つのアンティーク(まあぶっちゃけドラえもんの秘密道具みたいなもんです)が出てきて、それが巻き起こす様々な問題にバイト二人が立ち向かったり立ち向かわなかったり・・・みたいな話です。
この「アンティーク」は危険は危険なのだけど、使い方さえ間違えなければ非常に便利なアイテムな訳です。しかし、大抵の人はアンティークの与えてくれる力に飲まれてしまう・・・というのが基本の展開ですかね。
今回の話でも変な力をもったアイテムが出てきますが、一つ一つはちょっと悪趣味ではあってもそれほど危険ではないはずのシロモノなのですが、人って弱いなあ・・・という感じの展開をしていきます。
ストーリー紹介を
してもいいんだけど、それだとちょっとネタバレ指数が高くなるので、主要なキャラ紹介をしてみたいと思います。
来栖刻也
高校2年生の少年。
付喪堂骨董店でバイトをしていて、精神的なバランス感覚と正義感を併せ持ち、イラストを見る限り外見もいいはずの主人公・・・ですかね?
彼自身がある「アンティーク」の一つを常に所持しており、作品内ではその力を使って人助けに奔走しています。十分な活躍を見せてくれる程度には頑張ってはいますが、今イチ空気が読めてない・・・特にヒロインの舞野咲の考えている事は全くと言っていいほど分かっていないため、彼女からの風当たりは強い。朴念仁系主人公ですが、ヒロインのピンチに、
「君まで死んだら元も子もないだろう」
「あいつが死んでも元も子もないんだよ!」
とか口走ったり出来ます。おお、言うときは言いますね。
舞野咲
高校1年生の少女。
真っ白な髪の毛に真っ黒な服しか着ない、無表情な人形のような少女・・・パッと見は。
無口で表情もほとんど動かさない彼女ですが、頭の中は普通の年頃の女の子的思考であふれかえっており、時々全力で変な方向にから回っていたりする。なにやら彼女にも色々と秘密がありそうですが、その辺りは本編でどうぞ。
ちなみに1巻、2巻共に短編の最後の話は彼女の視点メインで語られる話となっていて、普段は分からない複雑な乙女心を垣間見せ・・・というか全力で見せてくれます。
『せっかくおしゃれをしても彼氏が何も言ってくれなくなった倦怠期のあなたへ』
……すこし見てみよう。
べ、別に刻也が何も言ってくれないから気になったわけじゃないわ。あくまでも勉強のため。
無口なツンデレでしかも黙々と暴走するタイプ。困ったヒロインです。ちなみに刻也くんと付き合っている訳ではありません。