ゼランディーヌ〜性悪ないばら姫〜

ゼランディーヌ―性悪ないばら姫 (集英社スーパーダッシュ文庫 う 1-18)
ゼランディーヌ―性悪ないばら姫 (集英社スーパーダッシュ文庫 う 1-18)嬉野 秋彦

集英社 2007-05
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おすすめ平均 star
star性悪というか、凶悪

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ああっ、最近無条件地雷か!? とか思っているアレじゃないか!? ヤバいか!?

いや、これはこれでアリ! セーフ!

前書き

ストーリー紹介の前に、あとがきの一部を引用します。

「深○○子の二の腕はどうしてあんなにふくふくしているんでしょう?」
ネコミミはね、虎柄より豹柄がいいと思うんですよ」
「ア○ミ○にシャーリングの制服なんてありましたか?」
「ペチコートはもっと短くてもいいと思います。何しろ中はガーターですから」
「ここのウサギの尻尾は無線でいいんじゃないですか?」

というような編集会議を経て、この作品は世に生まれでたそうです。興味深いですね!

ストーリー

朽葉ひなこは、途方に暮れていた。
仕事を求めて王都に出てきたのはいいが、財布はすられるし、電車の駅は乗り過ごして治安の悪そうな所に出てしまうし、強烈な酸性雨が降っているのに傘もない。一体何でこんな事に、とか考えているうちにいきなり暴漢に襲われて人生最大のピンチに!
しかしそこに颯爽と現れて彼女を助けたのはモノクルをした美女だった。彼女(ジーと名乗った)に助けられるままに訪れたあるビルの部屋はひなこにとって王都に入ってようやく安心できる所となった。
雨と泥に汚れた身体をシャワーを浴びて清めていると突然ロジーヌとは違うひとりの可憐な金髪美少女が現れて、

「髪の毛、あらってあげよっか?」*1

なんて辺りから始まる混乱混乱。いろんな所で話が混乱! なにやら王都を巻き込む陰謀の一部に足を突っ込む事になってしまったひなこは大丈夫か!? そして謎の美少女の正体とは!? 酸性雨の降りしきる寂れた街で巻き起こるシリアスアクションストーリー。

朽葉ひなこ:エロい

  • 衣装:ミニスカの挙げ句に大きく胸の上部が飛び出したメイド服
  • おっぱい:でかい、ごっついでがい。触ると「むにょす。」という感じらしい。

とにかくヴィジュアルやら行動で楽しませてくれます。エロい

「あっ……そこ、っ……」
ひなこはおもわず首をのけぞらせて呻いた。

・・・何も知らない田舎娘なんですが、ロジーヌや美少女すめらぎになされるがまま、なんだか実にエロい事になって行きます。いや、実に良いキャラだ。
今回はなんだかとんでもない事に巻き込まれてしまいますが、今後はどうなっていくやら・・・。

すめらぎ:可愛いけど怖い

  • 筋金入りのトランスベスタイトゴスロリ中心)の挙げ句、それがばっちり似合う。
  • 外見に騙されるとエラい目にあう性格。グルカナイフ標準装備。
  • 女性が大好き、男性は死ぬ程キライ。
  • つまり男。

とにかくのっけから少女のフリして媚びに媚びたりしますが、その対象は女性に限られまして、男性にはとことん冷たい。もうひたすら容赦ない。

「……腕の一本や二本でわめかないでほしいんだけどな」

とか平気で言います。人のキンタマも平気で潰します。

「——女の子の身体がどんなにか柔らかくて、それにどんなに可愛い声を出すか、知らないでしょ? 知らなくていいよ。知らないまま死ねば?」

全童貞を敵にまわすような台詞ではありますが、なに、この場合の相手は性犯罪者だから容赦の必要は全くないですね。

他にも

ストーリー紹介の所でもでてきましたが、ロジーヌや、ジャスミン、木崎ジンバといった魅力的なキャラクターが出てきまして、物語を程よく彩ってくれます。登場人物が多いわりには「このキャラクターの登場はなんか無理矢理挟み込んだなあ・・・」ってイメージが無くて、良かったですね。
話の方も謎の失踪事件の調査から、謎の解明、そして力ずくと、色々な方法で読者を楽しませてくれます。まあ、ミステリーではないですけど。

総合

星4つ。
十分に面白かった。そして女装しただけでは個人的に拒絶反応が出ないという事も分かった!
とにかくテンポが良いですね。えげつないシーンが結構出てきますけど、基本的に寸止め感がありますし、不愉快になる所まではいかないのがポイントですね。シリアス/コメディや、グロ/サワヤカのさじ加減が魅力的です。
緋鍵龍彦氏のイラストも動きとエロスが両方あってグー! 特に口絵カラーのひなことすめらぎの一枚はヤバい! アレだと分かっているのにヤバい!

*1:おまえは岡村靖幸か?