いぬかみっ!(9)ハッピー・ホップ・ステップ・ジャンプ!

いぬかみっ!〈9〉ハッピー・ホップ・ステップ・ジャンプ! (電撃文庫)
いぬかみっ!〈9〉ハッピー・ホップ・ステップ・ジャンプ! (電撃文庫)有沢 まみず

メディアワークス 2006-04
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おすすめ平均 star
star原点回帰
star絶好調っ!
starいぬかみっの短編集

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表紙は1巻から登場しているのに初めて表紙を飾る事になった多分オスの犬神・はけです。背景には藤の花が咲き誇っていますが、花言葉は「歓迎」「恋に酔う」「陶酔」などなどです。あ〜、ばあちゃんに完全に参っているからねえ・・・。

ストーリー

大騒ぎとなった8巻の火照りをさますかのような短編集です。しかも基本的に過去編。
リアルタイムで話を追いかけていた人はたまらんかったでしょうね。「なんでここで短編集!?、なんでここで過去編!?」みたいな。「8巻のあのヒキを喰らわした後にこれは、あまりにも酷い仕打ちではないかと!?」みたいな。
そうは言っても結構楽しませてくれてしまうのも事実でして、話はアッチに飛びコッチに飛びして、しかも意外に重要な話が挟まれていたりして、見逃せない作りになっています。
・・・まあその、本編を追いかけたい人は10巻を同時購入する事をお薦めしますけどね。

女だらけのバトルロワイヤル、犬神最強決定戦

もう単純にこういう話を書きたかったのではないかというか、単純に犬神達の魅力を増したかっただけと違うか、というようなどーでもいいゲーム感覚で綴るお笑い展開であります。
ゲームの名前は「白骨遊戯」という空恐ろしい名前ですが、ただの知恵と力くらべですね。妙に頑張るいぐさが可愛い話ですね。あとは、ごきょうやが良いかな? で、やっぱりなでしこが黒いと。
最終的に啓太が生きているのが不思議な話でもあります。

私立犬上女学院〜奥様は女子高生編♪

もう単純にこういう話を書きたかったのではないかというか(完全に同じ書き出し)、作者が悪のりしたというか、いやもうタイトルそのままですね。完全な異次元空間な話であります。
話がどんどこどこどこお笑い的泥沼に突入して行く様はまさしく初期の「いぬかみっ!」クオリティといいましょうか。

邂逅、白山名君! 世界はとっても広いんだけろ

これは、良い話ですよ
啓太がカエル型の消しゴムを投げつけて

「白山名君の名において告ぐ、蛙よ、破砕せよ!」

とか言っている元になっているあの「白山名君」が出てきます。
・・・個人的にカエルが好きなのと、白山名君がカエル仙人とは思えないグローバルな視野を持った社会学者のようなキャラクターで、おまけに語尾に「〜だけろ」と付いてしまうという事もあって、なかなか笑えます。いや〜大好きですね。
まあそれはともかく、啓太という人間がこの時点(修行時代)にはもう完全に完成していたという事が伺える話でもあります。

愛と恋の怒りの大爆発!

モテない男たちの怒りと悲しみここにあり。
まあ同情の余地はないので取りあえず読んで見てくれ給え。

こんな寒い雨の日はお昼寝して

ほんわかとした良い話です。
雨が降っているのに何故かポカポカ、フカフカの印象しかない作品ですね。ところでそのベッドの中はどうなっているんだ。最大積載量がスゴい事になっているような気がする。
それにまあ留吉は良いとしても、河童って、濡れてないのか?

総合

星3つ。
まあその、やっぱり前巻の盛り上がりと比較してしまうので点数は厳しめですね。しかし1巻とか2巻とかの頃の話作りだと思ってもらえればクオリティ的には想像がつくのではないでしょうか。日本語としては何だか変ですが「普通に面白い」です。
ちなみに巻末にはイラスト担当の若月神無氏による完全なマンガが付いてます。・・・まあその、コマ割りやらキャラの作りやらモノローグとかが完全に少女マンガ的なので、私はアレルギーを起こしましたけど、出来は良いと思いますよ。好みはともかく、絵師の気合いが伝わってきますね。