いぬかみっ!(11)

いぬかみっ!〈11〉 (電撃文庫)
いぬかみっ!〈11〉 (電撃文庫)有沢 まみず

メディアワークス 2006-11
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おすすめ平均 star
star堪えられない笑い在り♪
starこの巻の表紙はフラノとてんそう!です

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まあ後数日で感想は書ききるつもりです〜。じゃないと先に進めません! と言いつつも電撃の新刊が激しく気になる私です。

ストーリー

基本は短編集ですが、クライマックスに向けて色々な伏線を張っている話と言えば良いと思います。プロローグ(こんがらがった血)とエピローグ(異国な結構な邂逅)を前後に挿んでこの11巻も10巻に続いて重要な話がちょこちょこと挟まれるので、あっと驚く急展開はありませんが、読まずに通り過ぎられない一冊ですね。
ちなみにプロローグにて、赤道斎による一つの助言が行われます。ちなみに相手はせんだん。なんだか意外な組み合わせですがなかなか雰囲気がある小話となっていますね。
・・・前々関係ないですが、この11巻の各章につけられたタイトルを一つ、二つ完全に読めなかった現役学生の皆さん! 「ライトノベルで!国語の勉強イタシマショ〜!」

占われる未来〜あるいは仲間たちとの邂逅〜

[読み:うらなわれるみらい〜あるいはなかまたちとのかいこう〜]
薫探しの旅の途中、ヨーロッパで集合する薫の犬神——赤髪ドリル(せんだん)、と腐女子(いぐさ)、双子(いまり、さよか)、白衣(ごきょうや)、元気娘(たゆね)のお話です。
まあ薫捜索状況の進捗確認のための会議とでもいいましょうか。・・・ちなみにいまりさよかの二人が意外にも可愛い話であったりします。ま、色々と問題のある双子ですが。

泡沫たちの宴〜あるいは独りぼっちの正反対〜

[読み:ほうまつたちのうたげ〜あるいはひとりぼっちのせいはんたい〜]
泥沼化の一途を辿る啓太周辺の男女関係(男男関係も?)を「手紙」を中心にして描いたお話。
新堂ケイが「かなり本気入ったラブレター」を書いた事でひょっとしたら死者が出そうなトラブルに発展してしまうという・・・新堂ケイ、実は好きなキャラクターなんですが、まだまだ幸薄いですな〜。
直接攻撃の強力なキャラがそろっている「いぬかみっ!」世界において、「ラブレター」などという間接攻撃に走ったのがそもそもの間違い。いーから押し倒せ。
・・・ところで何気に「はけ」って可愛いですな。

迂遠な才女〜あるいは待ち人たちの憂鬱〜

[読み:うえんなさいじょ〜あるいはまちびとたちのゆううつ〜]
”暫定的仮名史郎の妹”と呼ばれる事になるかなりあり得ない感じのキャラクターが連れてくる無茶苦茶なお話。なんなんだその存在確率そのものが怪しそうなネーミング。ちなみに通称:ウホ子。万国びっくり博な感じがいよいよ強まってます・・・。
ちなみにカオルがいい味をだしてますな。

「え? な、なんで分かったんだ?」
『わからないでか!』
と、内心カオルは思ったが口には出さなかった。無理をしてひくつく頬をこらえ、
「う、うん。なんとなくそう思ったの」

当初の弱い感じは影をひそめ、段々と対啓太専用女性問題レーダーに磨きがかかって来たカオルです。
ところでこのサブタイトルですが、なんで敢えて「才媛」ではなくて「才女」という言葉にしたんでしょうね? 何かの間違い?

羞恥の暇乞い〜あるいは気がかりなフラグ〜

[読み:しゅうちのいとまごい〜あるいはきがかりなふらぐ〜]
今までほとんど取り上げられなかった絵描き娘・てんそうが中心の話です。あとフラノね。
フラノが巫女服を着たまま、おっぱいを・・・おっぱいをっ! 絵師のくそばかやろう! なんで胸元をはだけているその瞬間を絵にせんのじゃ! 馬鹿! 馬鹿! 馬鹿!
・・・本編は全く恥じらったりしない犬神であるてんそうに恥じらいを教えてやらんといかん! とか言い出した啓太によるてんそうの「恥じらいポイント」を探すお話。・・・ま、オチは想像の範囲内ですけどね?

強気娘のファンタジー〜あるいは迷走する現実と幻想〜

[読み:つよきむすめのふぁんたじー〜あるいはめいそうするげんじつとげんそう〜]

「乗客の皆様へお知らせしております! 現在、機長と副機長がコックピットで心中しているのが発見されましたあ! あたし、前々から怪しい仲だと思っていたんですう、畜生! てめえら職場不倫かよ! しかも男同士! あほかあああああああああああああああ!!!!! 死ぬならてめえらだけで死にやがれ! FU○K!」

と言ったトラブルや、

「俺にはもう何も残っていないんだ。ようこも捨てた。川平の名も捨てた。もう俺にはお前しか残っていない」
「そ、そんな」
「いや、なのか?」

というようなトラブルに突撃元気娘・たゆねが巻き込まれる話です。前者はとにかく大事なのは巨乳ですし、後者は啓太と愛の逃避行で混浴温泉です。
・・・オチは各自目視にて確認を願います〜。

総合

星4つ。
話自体が改めて緊張感を孕んで来ている感じが良いですね。
笑いとシリアスのバランスがとても良いのがこの「いぬかみっ!」シリーズの特徴かも知れません。やっぱり今回もあの「黒い人」が暗躍していて微妙に怖いと言えば怖いのですが、この次のお話が嫌が応にも気になる作りですね。