いぬかみっ!(13)完結編〈上〉

いぬかみっ! 13 完結編 上 (13) (電撃文庫 あ 13-17)
いぬかみっ! 13 完結編 上 (13) (電撃文庫 あ 13-17)有沢 まみず

メディアワークス 2007-04
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おすすめ平均 star
starこの巻の表紙は啓太とようこです。

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ストーリー

薫を見つけ出すための条件となっていた精霊が前巻で全部そろった事になり、舞台は整いました。
しかし酒飲んで騒ぎだす所から話がスタートするあたりがいかにも「いぬかみっ!」って感じですね。暗躍しつづけていたなでしこがついに啓太やようこの前に姿を現し、伏線が全速力で回収され始めます・・・が、この前編だけでは消化不良になるのは確実です。どうせ既に出版されているんですから、14巻を同時に購入するのが正しいでしょう。13巻だけ買うという寸止め行為に意味がありませんねえ・・・。

なんというか

なでしこの役回りが黒いですね。もう単純にその黒さを楽しむ展開です。
薫を探し出すための儀式に仕込んでいる秘密を一人で抱え持った挙げ句、ついに爆発するそのホンネが見所と言えば見所ですが、ちょっと一人で空回りしている感じが実に物寂しい。そしてその姿をようこと対比した時、その寂しさはさらに強烈なものになりますね。
なでしこが秘密にしつづけている「薫を見つけ出すための代償」がこの13巻で明らかになりますが・・・期待を裏切らない展開です。

成長した犬神たちがいい

ようこの成長が著しいのは他の感想でも書いていますが、成長途中なのはようこだけではありません。
子供代表のともはねを初め、徐々に素直になる事を覚えだしたたゆねあたりの可愛らしさはもう相当なものですね。一通り大人になっていると思われるごきょうややせんだん、いぐさなどはそうでもありませんが、前巻の出来事を踏まえて啓太との距離が近づいているのが読んでいて面白いです。
また、ちょっと目立たなくなっていますが、カオルもちゃんと内面を描く場面が用意されていて、その辺りも要注目ですね。

モテ期に入った(?)啓太

やはり前巻での活躍による所と、酒が入っているというのが大きいのでしょうが、いぐさが自分から啓太の所に来たり、せんだんがほっぺたをふにふにされても怒らないというか、嫌な顔をしないというのは何だか不思議ですね。ゴージャス赤髪ドリルがほっぺたふにふに・・・うーん、なんというかシュールな光景です。同じ事がごきょうやなどの「堅い犬神」にも起こっている事が面白いですね。
・・・まあそうなると当然ようこによるアプローチもどんどん濃いものになってきまして、油断するとようこの生理が止まりそうです。避妊はしっかりした方がいいぞ!

総合

星4つ。
さっさと最終巻に突入しましょう。
ついに3神が復活し、薫奪還のための用意が整いました。この話でのラストバトルはあの人とあの人ですが、この戦いはいつか必ず訪れる展開だったでしょうね。
所で表紙ですが、これは啓太とようこですよね? ・・・うーん啓太に見えない・・・。胸のない美少女に見えるぞ・・・。