刀語 第八話 微刀・釵
- 作者: 西尾維新,竹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/08/02
- メディア: 単行本
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ストーリー
四季崎記紀の変体刀集めも遂に七本目を入手し、完全に後半戦に突入。前半の一つの山とも言えた最強の敵とも言える姉を撃破し、奇策師・とがめと、鑢七花(やすりしちか)は尾張へと帰ってきていた。
勿論報告のためという事もあるのだが、八本目の刀がある場所にあるという情報があったためだ。それは江戸――不要湖。壱級災害指定地域とされている問題の場所である。そこには微刀・釵(かんざし)があるというのだが・・・。
前作が過激な展開だったせいか、微妙にパワーダウンしつつも仕込みをしている第八巻でしょうか。
うーん
幾つか秘密が明らかになるような気がするんですけど、前巻の緊張感に比べるとやっぱりヌルいイメージがありますね。真庭忍軍もここのところ頑張っていたのですが、この八巻ではまた以前と同じ様な役所に戻ってしまって、ああ哀れという感じでしょうかね。
見所と言えばとがめと否定姫の正面衝突――とは言っても舌戦ですが――が挙げられますかね。双方ともに非常に根性が太い二人の衝突はちょい楽しいですね。
別の見所として
悪化(?)するとがめと七花のいちゃつきっぷりが見られます。とにかく馬鹿が悪化しています。
特に理由もなく、
平たく言うと膝の上だっこである。
胡座をかいた七花を座椅子のようにして、彼の胸板に身体を預ける形でどがめは筆を進めているのだ。七花は七花でとがめの細い腰に腕を回して脇腹あたりをまさぐっていて、少なくともあまり子供の教育上好ましいと言えるような画ではなかった。
何をやっているんでしょうかこの二人は。
他にも・・・。
「……そなた、さっきから否定姫の話ばかりだな。そんなにあの女のことが気になるのか……はっ!? ま、まさか心変わりなのかっ!? よ、よりにもよってあんな女に!」
「とがめ、心配し過ぎだ……」
もはや女の嫉妬なのかなんなのかさっぱり分かりません。もちろんこうしたいちゃいちゃした会話以外にも、
「おい、とがめ。見てみろよ、あそこの屋敷――こんな雰囲気の中、一軒だけやたらに飾り立てて、派手な色を塗りたくっているぜ。屋根にはわけのわからん金色のしゃちほこなんか載っけてるし。おれもあんま人のことは言えないけど、どこにでも空気の読めない奴ってのがいるもんだ。悪趣味な屋敷だぜ。ははは、どんな目立ちたがり屋の家なんだろうな」
「わたしの家だ」
うん、素直にバカだと言っておこう。