おおきくなりません

ストーリー

僕は平野月哉、四十五歳の売れない文筆家だ。
そして家に帰れば三十四歳の笹野麻己美が待っている。彼女は昔漫画家をやっていたのだけど、今はもう漫画を書いていない。僕たち二人は結婚はしていないけど、二人で仲良く暮らしている。そうほとんど二人っきりで閉じたような世界で。
二人の大人がゆっくりとしたペースで編み上げて行く、優しい人生の物語。

難しくは言えん!

でも素敵な物語だった。
読んでみて心の中に不思議なふんわりとした――それこそ甘いカステラのような――何かが生まれたような気がしました。
何か特別な出来事がある訳でもないし、世間的に見たら劇的な事件などこの物語の中では一切起きないのだけど、それでもゆっくりと心にしみ込んでくるような物語でした。
また、主人公達の年齢を見れば分かる通り、どう考えても子供向けの物語ではないでしょう。もちろん一概には言えないのですが、この本は普段ハードカバーをの本を集中的に読んでいるような読者に読んでもらいたいなあとか思います。

しかし

最近の徳間デュアル文庫は色々やってくれるなあ・・・冬の巨人以来、なんとなく注目しておいて良かったなという感じです。

総合

星は付けません。
なんだか良く分かりませんが、個人的にはライトノベルとは言い難いと思ったのがその理由ですかね。でも良かったな。大人だけど子供、子供だけど大人、そんな登場人物達の暮らしぶりは柔らかくて素敵でした。
Amazonを見たら、この本2002年に一度出版されているみたいですね。再版なんだ・・・。でも良かったから不満は無いです。
ついでにこの本もお薦めしておきます。

ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)

ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)

カステラが食べたくなりました。