刀語 第十一話 毒刀・鍍

刀語 第十一話 毒刀・鍍 (ドクトウ・メッキ) (講談社BOX)
刀語 第十一話 毒刀・鍍 (ドクトウ・メッキ) (講談社BOX)西尾 維新

講談社 2007-11-02
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おすすめ平均 star
starラストまで後一歩!
star本筋を読みたいです

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前の感想を書いたのは騒動が一段落した直後だったなあ・・・地球か・・・なにもかも、みな懐かしい・・・。

ストーリー

虚刀流・鑢七花と奇策師・とがめによる四季崎記紀の変体刀収集の旅は遂に終着点が見える所までやって来ていた。表舞台に立っていた多くの人物が命を落としたり、あるいは舞台から降りたりした今、残るは主人公達二人と、その敵である否定姫と左右田右衛門左衛門、真庭忍軍のトップ・真庭鳳凰と真庭人鳥のみという状況になっていた。
そして前巻ラストで真庭人鳥からもたらされた情報を元に、とがめと七花は伊賀の里へと向かう事になる。そこで待ち受ける真庭鳳凰と毒刀・・・その秘めたる力とは一体どんなものなのか。
次で完結! の物語の十一巻目、です。

思えば遠くへ来たもんだ

いや、作者の西尾維新が一番ソレを感じているに違いありませんが、リアルタイムで追いかけている読者の私にとっても感慨深いものがありますね。あらかたこの十一巻で濁されていた謎は明らかになりつつありますし、物語の終着点に近づいているのが皮膚感覚で分かるという感じでしょうか。「もう少して大アンドロメダ星だねメーテル」みたいな心境? え、違う? まあいいんですけど。

今回は

謎解きというか解答編という感じですね。
今まで収集してきた変体刀は一体なんだったのか、四季崎記紀は一体なんのために刀を作ってきたのかという物語の中心にある謎が明かされる事になります。
その辺りについてはじわじわとここの所やって来ていましたからそれ程驚きは無かったですが、それでもその事実が作者によって一年越しで明かされるという所に妙にしみじみ感じてしまったり・・・感傷的になってるのかな?
そうは言いつつも西尾維新、やっぱり容赦とかしませんねえ・・・あ、そういう事するんだこの野郎! みたいな。

そうそう

とがめの口から「四季崎記紀の変体刀収集が終ったらどうするか?」って事が今回は語られます。
以下容赦のないネタバレ注意。

「なあ七花。そなた、この旅が終わったあとも、わたしのそばにいてくれるつもりはあるか?」

おお、ストレートですねとがめ。ただしここからがとがめの本領発揮です。

不意にとがめが、七花へと手を伸ばした。
ん、と七花が首を傾げると、とがめは不快そうに眉を顰めて、
「何をしておるか、このたわけが」
と言う。
「腹心は歩くとき、あるじと手を繋ぐものだ」

ふふふ・・・とがめ理論による水戸黄門とか間違っても見たくないですね!

総合

星4つ。
凄い思わせぶりな記述があったり、さらにラストは極悪なヒキなので、5つ星なんてやらんもんね! とひねくれてしまった結果です。
とにかく続きが早く読みたいです。最終巻はどんな展開になるのかなあ・・・せめてハッピーな気持ちになれるラストなら、今までの死者も報われようってもんですが。
ってこんな事書いてもどうせもう最終巻の分は脱稿しているでしょうから、まかり間違って西尾維新本人がこのブログを見て、さらにとち狂ってラストを変更したい! って思った所で、結末には絶対影響を与えられないんですけどね!
とにかく来月が待ち遠しいです。
そう言えば、とがめの左目ってなんでバツで描かれてるんですかね。何かの伏線? んなこたないか・・・。