れじみる。JUNK
れじみる。Junk (電撃文庫 ふ 7-15) | |
藤原 祐 メディアワークス 2007-12-10 売り上げランキング : 199267 おすすめ平均 真のシリーズ最終巻。 れじみる。は、舞鶴蜜がいてこそ! レジンキャストミルクの短編、番外編です。 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ストーリー
レジンキャストミルク本編終了後の文化祭を綴りながら、過去に起こった出来事を回想する形で語られる短編集。お遊び要素なども詰まっていて、ファンの人は買い・・・かもしれない。
うーん?
本編終了後が描かれてしまうので、もうこれを単純に「蛇足」と切って捨てるのもありかも知れないと思った一冊だったりして。
しかし・・・どんな事情があったのか分からないのだけど*1、これはこれでキレイにまとまっているのです。だったらやっぱりちゃんと8巻ラストに持って来て欲しかったなあと思いますね。
時間軸が現在の文化祭周りの話も悪くはなかったし、特に舞鶴蜜のエピソードは良かったのだけど、これを書くのであれば本編でちゃんとやって欲しかったなと思いましたね。
短編は
概ね3つですね。
ナンパ×休日×ショッピング
まだ硝子が機械に近い頃・・・洋服などもあまり持っていない硝子に晶や芹菜が服を買い与えたり、偶然街に出ていた殊子の姿が描かれたりします。本編で不遇なキャラクターだった森町芹菜の内面がちゃんと書かれている貴重な話でもありますね。
こんなの買ったんだよ、って。
どう、似合う? 可愛いかな? って。
可愛いって言ってよ、って。
そんなふうに、晶に言える日が来るのだろうか。
・・・来なかったねえ・・・(涙)
ナース・アタック
何故か仲の良い柿原里緒と佐伯ネアの心温まる交流を描いたスプラッタ寸前コメディ。被害者はいつもの面々です。
「ネア、いつもお仕事大変でしょう? 血とか嫌いなのに、怪我をした人たちの治療をしないといけないもの。だからね……今日は里緒が、ネアの代わりに血を見てあげることにしたの!」
「あら……血を見てくれるの?」
「うん、血を見てあげるの!」
まあこの後どんな展開が待っているのかは想像の範囲内でしょうが、ネアも里緒もお気に入りなのでまあ良し。
湯当たりクライシス
いつものメンバーが温泉にいってしっちゃかめっちゃかな感じの短編。うーん、蜜がなあ・・・。やっぱり普通に見えてイマイチなんだよなあ・・・。
「ふん、さすがだわ、あれもかいくぐるなんて……! 逃げる奴は除き魔、逃げない奴は訓練された除き魔って訳ね!! 本当、山道は地獄だわ!」
いや、そのセリフは好きだけどなあ・・・うーむ、イメージが、イメージが壊れる・・・。
ありがと、ばいばい
時間軸的にも本編終了後の物語で、ネアと蜜がメインです。
「ふん。まったく、……余計なこと、してんじゃ、ないわよ」
文化祭のエピソードと一緒に本編にいれて欲しかったなあこの話。
ちなみに
おまけのおまけという感じで「レジンキャスト病棟」というお笑いストーリーがあるんですが、このくらいまで吹っ切れている方が楽しかったりするなあ・・・個人的には。
総合
星3つ。
ファンなら買い、ファン以外は買わなくて良しという短編集ですね。
うーん、個人的には全体で見たときに出来は良いと思うんですけど・・・8巻で書ききれなかったことをこっちで書いたという印象が強くて、逆に8巻の完成度が低かったことの証明になってしまっているような気がします。もったいないなあ・・・。
繰り返しになりますが、この短編集で書かれている本編終了後のストーリーを8巻に盛り込めれば、ラストシーンの印象だってかなり変わったでしょうに・・・ページ数もらえなかったのかなあ? なんて妄想したりして。
*1:作者の人は本編に入れたかったのかもしれない。