火事と喧嘩ははてなの華

人気エントリーとか見ていると

いや〜ホントようやるなあとか思うんですが、

まいにち まいにち ぼくらは てっぱんの うえで やかれて いやになっちゃうよ〜♪

という「およげ!たいやきくん」の歌以上に熱い炎上と喧嘩で賑わっていますね。
正直殆ど興味の湧かない争いばかりだったりするんですが、はてながそれなりに利益を出して、Web上でそれなりの地位と影響力を持っているとしたら、この「火事」と「喧嘩」をやりやすい仕組みを作ったことにあるんじゃなかろうか、とか思いました。
はてなのネット上での「影響力」やら「地位」やら「生み出している利益」やらは実際の数字がサッパリ分かりませんのであくまで仮定の域を出ませんが、まあ人気エントリ入りするとアクセス数が爆発的に伸びる事を考えるとそれなりに力はあるんでしょうね、きっと。

んで、

なんとなく気になってちょっと調べてみたらこんな事を書いたページを見つけました。

「火事と喧嘩は江戸の華」と言いますが、実は火事のお陰で江戸の町民は食べて行けたという論文を読んだことがあります。火事で江戸の町が灰じんと帰す、そこで復興が始り、職人は職にありつくということの連続であったそうです。
火事と喧嘩は江戸の華

ほほう。そうですか〜。

江戸の

「火事」と「喧嘩」は「AND」の関係ですが、Webの炎上と喧嘩は「相互補完」「共生」の関係みたいですね。
その辺りはWeb炎上について研究している人がいそうなんで細かい事はまあいいんですが、基本的に、

  1. 喧嘩が勃発する。
  2. ブログが炎上する。
  3. 特定のブログの火種が近所に類焼する。
  4. 新たな火種を生み出してまた燃える。
  5. 時間の経過とともに「燃えるもの」が無くなって「泥沼化」して概ね鎮火。
  6. しかし完全に消火とは言い難く、ブスブスと煙が出ている状態になる。
  7. ・・・しばらく経つとその残り火を元に新しい火事が起きる。
  8. 1に戻る。

というのが全体の流れのようです。

もちろん

昔のHTML手打ちのサイト時代にも同じような事はあったでしょうし、他のブログサービスでも似たような事は起こっているでしょう。
でもはてなの場合「喧嘩」をするための「閾(しきい)値」が非常に低く設定されているんですよね。それは恐らく、

  1. id記法
  2. はてなブックマーク
  3. はてなスター

の3つが生み出しているのだろうと思います。

id記法

まずコレですが、この仕組みによって他のブロガーについて言及するのが非常に楽です。id〜と書けば自動的にトラックバックが飛ぶ訳ですし。めんどうな手間をかけずに

「オイ! id○○○、聞けよこの野郎!」

と出来ます。簡単かつ確実に喧嘩が売れます。Web着火の瞬間です
この仕組みは喧嘩がしたい人にとっては非常にありがたいシステムですよね。

はてなブックマーク

喧嘩ブースターその1ですね。
ネットイナゴ」などという新しい言葉を生み出したと思われる「はてなブックマーク」は、喧嘩そのものの当事者ではなくても、その周りを取り囲んではやし立てたりするのに最適です。
ここまで来るとなんというかアメリカ映画とかの荒くれ者の喧嘩シーンの「喧嘩している当人を取り囲む群衆」という絵が想像しやすいですよね。もちろん観客から実際の殴り合いに突入するのもアリなんでしょうね。
こうして喧嘩は当事者を変えて、あるいは他の人を巻き込んでの大乱闘も可能になってより騒ぎが大きくなり、喧嘩が継続しやすくなりました。Webが盛大に燃え上がる場面ですね

はてなスター

喧嘩ブースターその2ですね。
はてなスターの素晴らしい(酷い?)ところは、自分の意見を具体的に言葉で表明はしなくても、自分と似た意見を言っている人物に賛同する事で間接的に喧嘩に参加出来る所ですね。

  • 「スターがつく」=「賛同者/応援者がいる」=「喧嘩続行の意思が再燃する」

ということになり、さらに喧嘩の火=炎上は止まりにくくなりました。
Webに見物人が大量に集まって大騒ぎになっている状態ですね。スターが乱舞する状態まで騒ぎが大きくなると、喧嘩というより公開試合というべきかも知れません
こうなると火消しも現れますが、時と場合によっては火に油を注いでいる人もいたりするので油断出来ません。

こう考えていくと

はてなというWebサービスは、

  • 喧嘩が始めやすく
  • 喧嘩が大きくなりやすく
  • 喧嘩をヤメにくく
  • リターンマッチもやりやすい

という見事なコンビネーションが成立しているんじゃないかと思います。

つまるところ

はてな村は喧嘩が好きなんでしょうかねえ・・・。というかはてなの発展には喧嘩が欠かせないのかもしれません。

「火事と喧嘩ははてなの華」と言いますが、実は火事のお陰ではてなの村民は食べて行けたという論文を読んだことがあります。火事ではてなの村が灰じんと帰す、そこで復興が始り、生き残ったブロガーが新たに台頭するということの連続であったそうです。

・・・ひょっとすると、喧嘩や言い合いや潰し合いがしにくいWeb上のサービス*1っていうのは基本的に盛り上がらないなサービスなのかも知れません。あの某掲示板が凄まじく発展した理由の一つに「炎上と喧嘩のしやすさ」というのがあるのかも知れません。

おまけ

え、mixiはどうなんだって?
個人的にはあそこは「喧嘩」の値に「個人情報の流出」を代入しただけじゃないかとか思ったりする。
・・・まあ、真面目に言えばmixiは「喧嘩をしたくない人」を集めて作ったんでしょうね。でも結果として変なマナーが横行したりしているみたいなんで、喧嘩は陰湿化しただけでやっぱりあるんだろうなあとか思ったり。

*1:人の言葉を載せるサービスに限るけどね。