アストロノト!(3)

アストロノト!3 (MF文庫 J あ 5-3)
アストロノト!3 (MF文庫 J あ 5-3)bomi

メディアファクトリー 2008-04-23
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ストーリー

月に行き、さらに隕石的ピンチをも回避したノトとその一行。しかしノトの生活は大きくは変わらない。
しかし宇宙開発は着々と進んでおり、物語の中ではノトを地球に置いたままサベララキザミが火星に向かっていた。そして二人は火星に着陸するという歴史的偉業を成し遂げていた。
そんな状況の中でも地球では同じような毎日・・・が繰り広げられるかと思ったのだが、実際にはノトは大ピンチだった。なんとあのレンビアが、ノトの恋するレンビアがあのレドラアイス大王に求婚されたというのだ・・・!
いてもたってもいられないノトだったのだが、さらに畳み掛けるように次のトラブルが舞い込んでくる。順調に火星への旅を続けていたはずのサベラとラキザミが火星で連絡を絶ってしまったのだった・・・。それに関係してノトの元を再度訪れるナキアミの姿も・・・!
行方不明の二人は無事なのか!? ノトの恋心はどうなってしまうのか!? そしてまた宇宙になんか結構簡単な感じで行ってしまうのか!? 最早次の展開が全く読めなくなってきたSFというよりファンタジーな物語の3巻です。
もしかして・・・完結?

この話

ムチャクチャ〜! というのは前巻の感想でも書いたんですけど、相変わらず無茶苦茶です。
魔法と現代科学と超古代科学などが入り交じって何が何やらという感じになっていまして、最早難しいことを考えるだけ無駄という感じになっています。間違ってもSF的なものを期待してはいけませんね。
でもま、個人的にそこが好きなんですけどね。

今回も

主人公のノトはモテモテな訳ですが、それでもなんでか腹が立ちませんねえ・・・それはやっぱり「心に決めた相手」がちゃんといるというところが大きいと思いますねえ・・・。なんとも共感できる所があるというか・・・。
レンビアに恋しつつもえっちな気持はやっぱり消えない所がなんとも。

サベラのネグリジェが妙に色っぽいので、健全な青少年ことノトは再会の喜びよりも先にその夜着にチェックを入れてしまう。丈は短く、色は薄ピンクで、しかも布地はすごく薄い。肌がちょっと透けて見えているくらいだ。ナキアミどけ。どくんだ!

うん、この瞬間だけはナキアミが憎かったぜ。
でもまあヨロヨロこそしますけど、それでもレンビア中心で動いているノトの気持が気持ちいいですね。

ただの引っかけ屋で、料理人で、たいした取り柄のない、平凡な地球の少年。
でも。
一つだけ、誰にも負けないことがある。
それは恋する想い。レンビアに恋し、レンビアのためになら何でもする、たとえ月だろうが火星だろうが駆けつける——この、宙士(アストロ)ノトが、お前を——
「ブツきりにしてカラシ和えにして、ノト屋の新メニューに出してやるッ!」

やっぱり少年はこうあって欲しいもんですなあ・・・!

そうは言っても

彼の気持そっちのけで女性陣の争いは激化する一方でして・・・。

「ご婚約おめでとうレンビア。よかったね」
しっかりノトの隣の席をキープしていたナキアミが、レンビアに声をかける。
「ありがとう。でもまだ色々あってね。正式には決まってないのよ」
「へえ。早く本決まりになるといいね。ナキ、心からお祈りするね」

もちろんお互い全く笑っていません。
個人的には素直になれないレンビアも、二面性の激しいナキアミも大好きなんですけどねー。でもまあなんとなく損な役回りのナキアミを応援するつもりで彼女のイカしたセリフをピックアップしてみます。

「そんな色のカレーはねぇよ」

怖い。でもそれがいい。

「ラタラ族のベロは、ざらざらしてるんだよーっ!」

男の下半身に顔を近づけて言ってはいけないセリフです。でも多分アレされるとビンカン粘膜は血が出ます。多分。

総合

星4つかなあ?
今回はちょっとゴタゴタしていた感じがありますし、まあ悪くはなかったんですけどちょっとだけ乱暴な展開だったような気がするかな。
強いて言えばもうちょっとページを費やして・・・そうですねえ、前後編位のボリュームでやってくれたらちょうど良かったような気がするかな。駆け足過ぎてタメが足りずに必殺技がスカッた感じとでも言えば良いでしょうか。
それと、今回でそれなりの決着が付いてしまうような感じの恋模様ですが、その辺りもちょっと急ぎすぎた感じがなくもないです・・・って贅沢言っているのは分かってるんですけどねぇ・・・。ま、読者の欲望は果てしないという事で一つ。

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