DRAGONBUSTER

DRAGONBUSTER 1 (1) (電撃文庫 あ 8-13 龍盤七朝)
DRAGONBUSTER 1 (1) (電撃文庫 あ 8-13 龍盤七朝)秋山 瑞人

アスキー・メディアワークス 2008-05-10
売り上げランキング : 2521

おすすめ平均 star
star読み手に配慮を
star次巻の刊行を切望します
starいい感じだが

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ストーリー

卯王朝の支配下の元、一人の若者がその日暮らしのような暮らしをしていた。若者の名前は涼狐(ジャンゴ)。
胡同と呼ばれる庶民の暮らすうらぶれた街で似顔絵を描いて小銭を貰い、講武所の下働きで命を繋ぐ・・・しかも彼は「被差別民族」の証しである青い瞳を持った若者だった。
彼は一人の貧しい人間に過ぎなかったが、数年前の一人の名も知れぬ老婆との出会いが彼を少しだけ特別なものにしていた。老婆の教えを受ける事で彼は龍をその身の内に宿したのだ。双剣の姿をした龍を。
そしてその龍を偶然見てしまった一人の皇女がいた。十八番目のさして重要でもないが自由もない身分にもがく天真爛漫/お転婆/猪突猛進なその皇女の名前は月華(ベルカ)といった。闇夜の中一人剣舞をしていた涼狐の姿を見た月華は、涼狐の身の内に潜む”龍”に魅入られてしまったのだ——。

「妾も剣をやるっ!」

中華的な異世界で展開される剣舞の物語の1巻です。

タイトルを聞いて

まず思い浮かんだのが、

の二点だった訳ですが、まあそう言う事はどうでも良いとして・・・。

とにかく

久しぶりの新作な訳ですが、改めて読み返してみてやっぱり秋山瑞人という作家は独特な臭さが漂ってるなあと思いましたね。
血なまぐさいというか、臓腑から滲み出てくる匂いと言うか、それこそ糞汁の匂いというか・・・人間も一枚皮を剥げば臓物と血の詰まった袋に過ぎないとでも言いたげな空気が言葉の端々から伝わってくる感じがします。
登場人物は全員一筋縄ではないかないキャラクターばかりです。どいつもこいつも一様に生き物臭いんです。もちろん、それが魅力な訳ですが。

まあ

主人公の二人と言える涼狐と月華ですが——。

  • 涼狐は力を持ちながらもその適切な使い方を知らず、また誇りも知らず。
  • 月華は身に余る身分を持ちながらも無知で無謀に過ぎる。

何もかも正反対と言えそうな二人の出会いが今後の物語をどう紡いでいくのか興味が出てきました。
今の所・・・。

あの子は、香水の匂いがしない。

香水の嫌いな涼狐は月華をそのように思い。

なぜこんなに腹が立つのだろう。

誇りを持たない涼狐に月華は腹を立てる。
こんな感じですが、今後少しづつ変わっていくのでしょうか。

総合

今の所星3つでしょうかね。
確かに面白そうな伏線が大量に散りばめられていますが、この1冊では序章の域を全く出ていませんのでこんなものかな。描写の妙はありますが、先が見えない今の状態ではお薦めできるというところまではいかないかな〜という所です。
あと、わざとなのかもしれませんが難読漢字が多い*1割にはルビをあまり振っていない所も読み難さに拍車をかけてます。困る程ではなかったけれども、なんでなんでしょうかね?
今回は古橋秀之とのシェアワールドらしいのでまあこの「1冊で未完」という事は無い可能性が高いですが(タイトルにも一応01ってあるしな!)、でも前科があり過ぎですからねえ・・・この作者。芸術家として一流ですが、物語をちゃんと提供し続ける職業人としては?流という感じですからねぇ・・・。
正直言って凄いファンでなければ「無事完結したのを確認してから手を出す」位でも良いかも知れないですね、今の所。

感想リンク

*1:他のラノベと比べた場合って事ですが。