モーフィアスの教室(3)

モーフィアスの教室 3 (3) (電撃文庫 み 6-22)
モーフィアスの教室 3 (3) (電撃文庫 み 6-22)三上 延

アスキー・メディアワークス 2008-06-10
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おすすめ平均 star
star赤い目 登場

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ストーリー

高校生・岸杜直人は、夢の世界と現実の世界を繋ぐ扉の番人で、その扉を開け閉めすることの出来る鍵・モーフィアスを持っている。
そして彼の傍らには常に一人の少女の姿があった。その名を久世綾乃というが、彼女は普通の人間ではなく、夢の世界の住人であった。そして直人と綾乃の二人は協力して夢の世界から現実世界を浸食せんとする「夢神」と呼ばれる怪物と戦っていく事になる。
しかし彼らは悪性の夢神と戦ううちに、暴走した夢神を後ろで操る存在がいることを知る事になる。それは「赤い目」と呼ばれる謎の存在。
直人と綾乃の真実の姿を知る存在であるクラスメイトの少女・倉野棗の力を借りながらも「赤い目」と戦う決意をする二人だったが、そこへ一つの依頼が入る・・・。

「わたしを殺してください」

遂に実体を直人と綾乃の前に現す「赤い目」。そして新たに現れる夢神。さらには「パンタソス」と呼ばれるモーフィアスの鍵と同じような力を持ったものと、それを操る麟堂正宗という少年——。
新たな登場人物を迎え、新たに血の色を纏って綴られる悪夢の物語の3巻です。

口絵と本編

これがなかなか面白いのです。
正直に言えば口絵は簡単なネタバレを含んでいるのです・・・が、ネタバレになっているようななっていないような・・・? という面白い印象を与えてくれます。口絵のカラーイラスト(漫画仕立て)の1ページ目では、綾乃がこんなことを言っています。

「このバカ! ヘタレ!」

・・・絵から来る印象では、はっきり言って結構怖いというか・・・殺気が籠っているというか・・・えーっとお願いだから殴らないでくださいという感じなんですが、本編で同じシーンを読むと、

ほう? ほっほ〜ぅ?

という感じになります。この印象のギャップが楽しいんですね。

今回は

上でもちょっと書きましたが、麟堂正宗という別の扉の番人が出てくる事になります。ただし、当然と言うかなんというか、一筋縄ではいかないというか、直人を殺しにくるというか、ぶっちゃけ敵として登場する事になります。
しかも彼、日本刀をふり回して人をスッパリとやろうとする危険人物です。こんなのに付けねらわれる直人と綾乃も大変だなあ・・・などと思ったりしたとか。
しかも今回は直人と綾乃が喧嘩してしまって(実際は綾乃が一方的に怒っている)、そこになんとな〜く棗が直人をプールデートに誘ったりしてしまったりして・・・間が悪いというか、げに恐ろしきは恋心というか、まあそんな感じです。そりゃ綾乃も怒ります。
でも男の立場からすれば、直人君の気持は分かりますねえ・・・彼にとっては余りにも当たり前で当然過ぎて、改めてどうこう言うような事ではないのでしょうし。

「そんなの秘密でも、なんでもねえだろ……ずっと昔から」

直人くんの言葉ではありませんが・・・きっと同じようなことを感じているに決まっています。何気に直人は強い男ですからね。

総合

うーん、暗いけど面白いので星4つ。
なんとも痛々しい展開が続く事になりますが(主人公も相変わらず血塗れです)、そのかいあって今回もなんとか一件落着ですかね。なんか物騒な伏線も用意されてますけどね・・・なんかすっごくマズイ人から赤い霧出てるよ〜! 的な。
次で絶対避けて通れない事になるような気がしますが、私は色々と泥沼を応援している人ですので、なんというか変なモンが口からでても仕方がないですね。その、頑張ってくれ。
ところでタイトルに含まれる「教室」ですが、もはや内容と全然関係なくないか? という素朴な疑問が湧いたのですが・・・え、ちゃんと考えた上での伏線だって? 違う? 大人の事情? 1巻の内容に合わせただけと(以下略)。

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