オオカミさんと長ブーツを履いたアニキな猫
- 作者: 沖田雅,うなじ
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/07/10
- メディア: 文庫
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お話(変える必然性が見いだせません)
この話の舞台は学園都市・御伽花市の御伽学園。生徒3000人を抱えるマンモス校。制服も複数種類が用意されており、どれを選ぼうと自由な挙げ句、ある程度(かなりの程度)の範囲で改造が許される自由な校風として知られる。
主人公は御伽学園学生相互扶助協会(通称「御伽銀行」)に所属するすらっとしたスタイルとツルペタを誇る直接攻撃による破壊活動を得意とする大神涼子(おおかみさん)。彼女はその姉御とも言えそうな行動から学園内で一目置かれる存在なのですが、そこに対人・対視線恐怖症の第二の主人公・森野亮士(もりのりょうし)が電撃的な愛の告白をするのだった!
森野亮士は結局その特殊な才能を買われて御伽銀行に所属。生徒達からの依頼を受けては解決し・・・というなんだか童話をモチーフにしつつ変な感じで進む安心のラブコメもの。
今回も短編3つ+2アルファでお話が進みます。
大神涼子
オオカミさん。正統派ツンデレの系譜に連なるヒロインの一人であり、暴力的であるが心は純情可憐。紆余曲折を経て亮士くんとの距離も微妙に縮まりつつある昨今、なかなかに可愛らしいシーンが増えていて読者としては嬉しい限りである。
亮士のやつ……オレのことをすっすきとか言ってたくせにその態度はなんだっ!? オレが、もしもそいつと付き合うようになってもいいのかっ!? いや待て、オレはなにを考えている。亮士が好きと言ってくるなら、仕方なく応えてやらんでもないとかこの間思った気もするが、オレからは行動を起こす気はなかったはずだ。そう、あくまでも亮士がオレに惚れているだけで、オレは亮士のことを、まあ嫌いじゃないから次に、こっ告白されたら仕方なく、ほんとに仕方なく受け入れてやろうかなと思ってはいたが、そんな態度じゃ…………。
森野亮士
オオカミさんにぞっこんLOVE(死語)なのは相変わらずだけれども、オオカミさんを守るために今回は一念発起。文字通り色男になるために奮戦します。でも相変わらずのストーキング技術とかの冴えはちょっとどうかと思います。
今回改めて発覚する事実としては「ネット弁慶」という全く格好良くない才能ですかね。
「ひっひぃ、すっすっすいませんっス!」
他はこんな感じですね・・・。頑張れ亮士、オオカミさんをモノにするまで!
赤井林檎
相変わらずの腹黒ロリっぷりは健在で、今回も裏も表も知り尽くしつつ状況を面白くするために悪巧みに余念がありません。しかし今回遂にオオカミさんの逆鱗っぽいものに触れちゃったりするみたいですけど、まあ平気です。
「めっめっそうもないですの。ただ、そうしたほうが嫉妬したり恋に悩んだりする涼子ちゃんのかわいい姿がみられるんじゃないかと思ってぴぎゃー」
「ぴぎゃー」ってあなた・・・大時代的ですなあ・・・。
鶴ヶ谷おつう
真性のメイド。最早手の施しようのない程のメイドなのでもう彼女の事について突っ込んではいけない。
マジョーリカ・ル・フェイ
魔女。今回は特別に毒ガス魔女。そろそろ彼女に焦点を当てた話を作ってくれないとただの変態で終了のような・・・。
桐木リスト
御伽銀行頭取。今回はいいところ見せちゃいますよ?
桐木アリス
才色兼備な感じのクールビューティですが、頭取の事を「りっくん」という衝撃的なあだ名で読んだりする事実が発覚。今回は大活躍ですが・・・その分沢山の可愛いところも見せてしまうことになったりして・・・イヒッ!
浦島太郎
乙姫にヌかれます。
何をヌかれるの? とかはここでは聞いてはいけない。分からない人はお父さんに聞いてみよう! 多分元気いっぱいの状態でも3回以上は厳しいって事を教えてくれるよ!
竜宮乙姫
浦島をヌきます。
何をヌくの? とかはここでは聞いてはいけない。分からない人はお母さんに聞いてみよう! キミの想像している以上に色々な方法があることを教えてくれるよ!
総合
星4つ?
意外に楽しかったなあ・・・というのが読了後の印象でしょうか。今回はコメディ要素もシリアス要素もふんだんに盛り込まれているので読み応えもばっちりですね。
上のキャラ紹介には出していませんが、今回は猫宮先輩というなかなか頑張っている少年が出てきたりして、新キャラの方も賑やかです。彼のお陰で亮士くんもちょっとレベルアップしますしね。
イラストは相変わらずのクオリティを提供してくれるうなじ氏です。カラーも白黒も実にイメージ豊かで楽しませてくれる、私のお気に入りの絵師さんの一人なので特に不満なし!