森口織人の陰陽道

森口織人の陰陽道 (電撃文庫 お 7-12)
森口織人の陰陽道 (電撃文庫 お 7-12)おかゆ まさき

アスキー・メディアワークス 2008-08
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おすすめ平均 star
starドクロちゃんと比べてしまうので
star撲殺天使ドクロちゃんおかゆまさき×とりしものコンビの新シリーズ

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ストーリー

遥奈原初雪(はるなはらはつき)様は美少女であります。
その美少女っぷりは「完膚無きまでの美少女」とも言うべきものであります。しかも化け物を調伏する霊力を持っていたりもする表も裏も本物の完璧なる美少女でした・・・のですが、たった一つだけ重大な欠点を持っていたのでした。
初雪様はその強力な霊力によって妄想の内容がココロの外側に漏れだしてしまうのです。しかもその妄想たるや人には決して見せられないようなヒワイかつインランな内容そのものであったのです・・・!
しかし、初雪様はその弛まぬ努力によって「妄想が漏れ出す」という秘密を隠し続けてきていたのですが・・・ある朝、転校生と衝突したことを切っ掛けにその転校生に秘密を知られてしまうのであります・・・。
その転校生のお名前は森口織人様。だだ漏れと言わんばかりの初雪様の強烈な妄想の直撃を食らった織人様の人生は間違った方向に歪みはじめ、それと一緒に初雪様の人生もほの恥ずかしい方向にずれ込んでいくのでありました。
それこそが「森口織人の陰陽道」であったのでございます・・・。

ドクロちゃんの作者だけあって

変態です。
ストレートかつ、どうしようもない痴脳が噴出している変態です。その作者の変態っぷりをとりしも氏のイラストが見事なまでに煽っています。
表紙からして何やらアヤシゲな絵にまみれておりまして、これがアニメとかで見かける触手系ですか? 淫獣とか淫魔とか聖戦とかそんな感じでドゥビドゥバですか? な感じです。しかも一部にはモザイク処理すらされている表紙ですからして、もう本編の暴走っぷりが大体想像できるのではないかと思うのです。
表紙がこの調子ですから、カラーイラストの出来も当然のようにヒワイです。一枚目のイラストこそ大人しめと言えば大人しめですが、それでも初雪様の胸の膨らみが不自然なまでに強調されているのが一目で分かるかと思います。
しかも読み手の嗜虐心を煽る儚げなポーズ・・・。やらしいです。いやらしいです、とても。

しかし

そのいやらしさは2枚目のイラストでさらにパワーアップするのです・・・!
熟れた初雪様のボディを包む制服は見るも無惨に乱れ、しかも下着代わりに履いた(履かされた)ブルマーは厳しく食い込み、イケナイトコロの淡い食い込みまでもが細かく描かれているのです・・・! やらしいを通り過ぎてもうインワイですらあります・・・!
しかもこのカラーイラストの一枚は、初雪様から織人様に伝わってしまった妄想の一つを映像化したものでありますから、織人様は初雪様がこうしたインワイな妄想を日常的にしているという事を知ってしまうのです・・・!
そしてその弱みを握った織人様は、その秘密と引き替えに初雪様のその誰にも汚されたことのない名の通りの白いハダを蹂躙していくのであります・・・ってこれは嘘です。

って

ここまでエロスについてしか語っていないので本編の内容について真面目に少し書いておきますと、つまりは妖怪変化の類が初雪様に襲いかかってくる話であって、それに巻き込まれた織人様がとんでもない目に遭う話であります。
妖怪変化ものにつきものというか、初雪様が霊力の持ち主であり、しかも偉い神社か何かの巫女みたいなことをやっていたりしますので、式神やらもどんどこ出てきたります。
ちなみにレキという狐式神などが出てきたりしますが、織人様をよくサポートし、助言を与えたりする蒟蒻狐であります。
はい、ここで意味不明の言葉が出てきたーと思われた貴方、確かに意味不明であります。しかし意味不明なのはおかゆまさきの本では全く珍しいことではないので、気にしてはいけません。蒟蒻狐式神のレキはp249でのイラストで映像化されていますので(主人公の頭の上に注目)、その辺りを参照すると脳内でイメージ化しやすいと思われます。

総合

星・・・4つ!?
え、この本に4つ星とかつけてもいいんかいな!? とか思うんですけど、まあ全体で見た場合には幾つか分かりにくいところがあるものの、なかなか楽しくできあがっているのは事実です。応援の意味も込めて、星4つですね。
ヒワイでエッチなのも一つの味わいですが、それを含めて変な楽しさがある本ですね。某撲殺天使の笑い感が楽しめた人ならこの本もニヤニヤしつつ楽しめるのではないでしょうか。和風妖怪ものとしてもなかなか笑える出来です。そうですねえ・・・「ラッキーチャンス!」とかと同じようなノリで楽しめると思います。
ストーリーも短編のつながりのような形で書かれますが、撲殺よりはまとまりがある話ですし、一本の話として楽しめると思いますね。語り口も独特で面白いし、ネタ的に読んで見るのもあり、じゃないかなあ?

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