めしあのいちにち(2)
めしあのいちにち 2 (2) (電撃文庫 い 5-23) | |
岩田 洋季 アスキー・メディアワークス 2008-10-10 売り上げランキング : 986 おすすめ平均 めしあ、錬子、蛍雨、それぞれを中心とした話かと思ったら・・・ Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ストーリー
世界を救うと予言された特別な少女めしあ。彼女はある日、空から遣わされたのだった。
しかし、めしあはなんの変哲もないと言えるほどの普通の少女である。今は彼女を庇護するために全身全霊を注いでいる殺ヶ原家の末の娘として暮らしていた。
めしあのそばにはいつでも危険がある。彼女の不思議な共感能力を狙うもの、ただひたすら救いを求めるためにやってくるもの。しかし、めしあには彼らに与えられるものは本当の所——何もない。そんなめしあを殺ヶ原の姉弟はただひたすらに守るのだった。
そうして、保(たもつ)、練子(れんこ)、蛍雨(ほたう)は、いつもつかず離れずめしあの側にいるのだった。
この話はそんな少女・めしあを中心にして語られる家族の物語です。
うーむ
悪くないんだけどね・・・この2巻はパッとしなかったなあ・・・。
個人的には理由ははっきりしていまして、ヴァー子ことヴァーミリオン(本名:山川田ハナ子)の活躍の機会が少なかったからなんですが。ついでに言えば個人的にお気に入りの蛍雨もあんまり活躍しなかったからですけど・・・。
いや、その代わりと言ってはなんですが、姉の練子はスパークしてましたよ? それはそれで良かったんですけど、うーむ、なんというのかなあ・・・それでも全体的に穏やかすぎたという感じでしょうか。
うん
1巻よりさらにめしあの見せ場が増えているのも刺激が足りなかった原因の一つかも知れませんね。
いや、めしあは純粋によい子なんですけど、えー、読者の私はどー考えても薄汚れまくった中年男性であって、どっちかというと本の中で登場する余地があるとしたら「暴漢その1」とか「酔っぱらいサラリーマン」とかそういう位置づけになってしまうんですよね。
綺麗すぎる物語のお陰で、自分を投影する余地がなかった・・・そんな所でしょうか。
あ
でもまあキャラクターの自分語りの部分では楽しいと思う部分がありましたね。
むかむか、むかむか、むかむか。
——でもね、保……あんたちょっとわたしをないがしろにしすぎじゃないの?
めしあにばかり笑いかけて、いまだに練子のほうを振り向きもしない保の背中を眺めて、苛立ちは気温の上昇と合わせて増していく。
めしあにかまける弟に、嫉妬心むき出しの姉がメルトダウン寸前です。
ちなみに活躍の少なかったヴァー子もまあ相変わらず面白い娘でして、
「保やめしあのためにお土産買ったわけじゃないんだからね。勘違いしないでよ? そう、これもあたしの完璧な戦略……! こうやって殺ヶ原本家に近づいて情報を得るため! ふふ、ふふふふ……我ながら恐ろしい。天性の策士ね。孔明の罠だわ。…………保、抹茶味好きかしら?」
本音がだだもれなのでツンデレになれないヴァー子。可愛いですな〜。ほっこり。
総合
うーむ、でも星3つ。
話の規模は徐々に大きくなっている感じなんですが、私の心とは距離が離れてしまいました。大きな陰謀もいいけれど、やっぱり読みたいのは少年少女の目も眩むような情熱の炸裂する瞬間だったりするんですよね〜。
うん、そういう噴火が無いわけでも無いんですけど、イマイチ心に響かなかったというか、共感しかねるというか、俺の青春にそんな事件は無かったというか・・・そんな気分です。めしあは良い子ですけど、うーん、ただの良い子には興味がないのよね・・・。
あ、あとイラストがパッとしねえええええ! 表紙絵の練子からしてもう可愛くないというか、本編の練子もなんか表情のアップがたくましいというか、うーん、イマイチに感じたなあ・・・。