さくらファミリア!(2)

さくらファミリア! 2 (2) (一迅社文庫 す 1-3)
さくらファミリア! 2 (2) (一迅社文庫 す 1-3)杉井 光

一迅社 2008-10-20
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ストーリー

某ユダの生まれ変わりである祐太少年の所に聖者たちが(と悪魔)がやってきてしばらくの時間が過ぎた。
相変わらずガブリエルはおっぱいたゆたゆとしながらエッチな発言を繰り返し、悪魔のるーしーは相変わらずロリペド野郎向けの特殊な魅力を全開にしていたし、とある超有名な聖者の生まれ変わりの姉妹である砂漠谷エリ・レマも元気に学校に登校している。
平和そうに見えてその実、彼らに対して前世からの債権を持っている三十銀貨財団が、あの手この手を使って借金の返済を迫るという日常は続いていた。しかしひたすらしらばっくれる祐太たち! 根性の太い者同士の醜い争いは健在だった。
しかしそんな平穏(?)も長くは続かなかない。新たな某聖者の生まれ変わり・ペトロがメイド軍団と一緒に彼らに迫る! その瑞々しい肉体を求めて! ・・・本当に聖者なのか?
なんだか世界で最大派閥を誇る宗教をずんばらりんとぶった切った色ボケライトノベル、2巻です。

ごめん

2巻にして、飽きた。


いや、杉井光自体は好きな作家なので、その語り口とかは安心して読んでいられる所なんですけど、それでも飽きましたね・・・というか作風がこれは嫌いだわ。
どうも「ばけらの!」の時から思っていたんですけど、私は作者の実生活とか実創作活動とかに全く興味が無いどころか、そういうものを具体的に匂わせるものが文面にあったりすると結構醒めてしまうみたいです。

「ゆんゆんも、レマさまを柱に鎖で縛ってあんなことやこんなことをするの想像してごらんなさいよ。興奮するでしょ? 26ページくらいその描写で埋められそうでしょ?」
「やめなさい」
「ほんとにそれくらい書いてもいいんだからね?」
「だれに向かって言ってるの?」

こういうのとか。

「もろに見えちゃうのは一迅社文庫的にNGらしいから、せめて水着くらい」

こういうのとか・・・本当にどうでもいいのね、そんな作り手側のネタは。
私はライトノベルを読んでいる時間をフィクション経由で現実に耽溺する時間と考えている節があるんですが、これはそのレギュレーションに引っかかるみたいですね。フィクションに現実(あるいはそれに即したもの)を書いちゃっているから。

ん〜

なんというのかな〜。
私は作者が血の滲むような努力の末に書き上げた作品でも、つまらないと感じたらその努力なんて基本的に一切買わずに酷評する人なんでしょうね。つまり作家本人の努力にも人格にも人生にも興味がない。
でも逆に言えば、鼻歌歌いながら片手間に書いた作品でも面白いと思ったら絶賛する人なんでしょうな。作家には興味がないけど作品には興味がある、多分そういう事なんでしょうね。
で、この作品はその内輪ネタ(作家の創作活動や苦労)という「現実そのもの」を話の中に大量に盛り込んでしまっている段階でなんとなくアウトなんですな。同じ理由で「ばけらの!」もダメだったのでしょうかね? よく分かりませんが。

まあ

そういうネタが気にならない人なら楽しめるラブコメだと思うんですが・・・うーむ、私はそれでもちょい微妙かな?
なんと言えばいいのか分かりませんが、「神様のメモ帳」や「さよならピアノソナタ」の主人公に比べてこのシリーズの主人公は印象が薄いです。なんというか「そういう作風にしたから」で終わりそうな話ですが、ただのツッコミ役にしかなっていないような気がします。
この話の主人公の祐太については、青春の恥ずかしい悩みやらあるいは思い切った行動やらと言ったところが書かれることは殆ど無くて、本当にただひたすらつっこんで、ただひたすら美少女に囲まれています。
・・・なんかこ〜、もう一つ青春してるところがないと、ヤですな。

総合

星2つだな〜。次は買わない・・・かな?
うん、個人的にこの手の話は一発勝負の一冊完結くらいで丁度いいような気がしてきている今日この頃です。2冊も続けるような話じゃないというか、600円近くも出して買うほどの価値を見いだせないというか・・・そんな感じですね。
プロがまれに見せる「本当の姿」は時として猛烈に面白いことがありますが、連発されればただの当たり前になり、そしていつしかただの堕落になる・・・とか、そういう事かな?
いや、軽く読める適当なコメディとしては最高かも知れないので、これはこれでアリなんでしょうが、私はナシの方向で。つか、続き書くならイタカの方を書いて欲しいような・・・。

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