とある魔術の禁書目録SS(2)

とある魔術の禁書目録SS 2 (2) (電撃文庫 か 12-18)とある魔術の禁書目録SS 2 (2) (電撃文庫 か 12-18)
鎌池 和馬

アスキー・メディアワークス 2008-11-10
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ストーリー

園都市、あるいは各地でこの”世界”の根幹に触れようとしている人々がいた。あるいは、そんなものとは全く関係なく日常を過ごしている人々がいた。多くの人々の思惑は絡まり合って捻れあって大きな一つの流れを形成する・・・それは「時代」とでも言うべき何か。
そんな時間を描き出す、短編集第2巻。

まず一言。

まさかこれでキャラクターの説明は済ませたとか言わないよね?
底を流れるメインのストーリーはあるにはあるようですが、やっぱり短編集とは言い難くて、良くて断片集ですね。いやいっそ今後の展開用に用意されたデータベースと言った方が良いかも知れませんな。
この話で取り扱われるのは——

  • ATM強奪をやらかすヤクザな若者集団(スキルアウト)の浜面仕上、半蔵、駒場利徳が、その結果警備員の黄泉川愛穂に目を付けられる話。
  • ヴァルキリーになりきる迷惑変人と、それに対処するハメになった神裂火織の話。
  • イタリアで土産売りの少女・バルビナから土産を物色する上条刀夜と、それと出くわすリドヴィア&オリアナの話。
  • レベル5の超能力者・削板軍覇の活躍。
  • 世界の反対側で謎の仕事に精を出す御坂旅掛の話。
  • 髪の毛を切りながら大事な話を知らず知らずにしている白井黒子の話。
  • ミラノでけったいな生活を送る魔人・オッレルスとそれを世話する娘シルビアの話。
  • 半蔵を追って浜面仕上の前に突然現れる近代的くノ一・郭のお話。
  • 実は異様なまでの凄腕ハッカーであることが判明する初春飾利の話。
  • 海外で偶然邂逅する上条刀夜と御坂旅掛とその夜のトラブル。
  • ミサカシスターズによる占いのお話。
  • なんでかハッキングに精を出している御坂美琴のお話。
  • チョココロネの芸術性について語る元ローマ正教のルチア&アンジェレネ&シェリー&神裂火織の話。
  • 闇組織「アイテム」の絹旗最愛と、アイテムに所属することになった浜面仕上によるB級映画講座。
  • 遂に半蔵を見つけた郭が、半蔵と衝突する話。
  • 園都市の裏側で動く貝積継敏と、謎のブレインである少女・雲川芹亜のお話。
  • そして世界各地で「原石」回収活動を行うミサカシスターズのお話。
  • レベル5の超能力者・削板軍覇と、魔人・オッレルスの戦いの行方と、御坂旅掛とアレイスターの不穏な会話。

——などなどです。

多分大事だと思われるのはこの辺ですかね。

「『原石』とは……一体何だ?」
「その質問は、学園都市の科学かぶれにやられた人間の台詞だけど。自分の手でしか超能力者はつくれないものと、最初から決めてかかっているけど」
『いや、理屈の上では理解できる』
貝積は慎重に言葉を選んでいるようだ。しかし、それを雲川に知られている時点で失敗だ。ブレインとして彼女を雇っているのなら、頭の良いふりなどしなくても良いのだ。
『学園都市が作っているものは人工のダイヤであり、それと全く同じ環境が自然界で整った場合、天然のダイヤが生み出される事はな。……その上で質問しよう。「原石」とは、何だ?』

幻想殺しについては、単に『原石』というカテゴリにまとめない方が良いけど」

なんかいきなり抜き出してますけどね。いや、こうでもしないと次の話読んだ時に絶対分かんなくなってるし・・・というかそもそもこの話自体がオレオレ設定に充ち満ちているもんだから真面目に追いかけるのもどうかと思う訳で。
でも記録しておかないと分かんなくなるしねぇ・・・困った話だと思いますよ。

総合

やっぱりSSは星2つだな。私は物語を読ませて欲しいんであって、設定資料集に毛が生えたような話を読みたい訳じゃないからして。
でもまあ・・・前回よりは多少マシになっているような感じが・・・しないでもないです。でも短編として読むには無理があるし、やっぱり断片集ですね。なんつーか、面白いとかつまらないとかそれ以前の問題という感じがします。
・・・いや、実際の所何なんでしょうねこの本。こんな断片で次巻の種まきをしたことにされたとしたら・・・手抜きっぽくてヤだなあ・・・。

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