いぬかみっ!EX わんわん!!
いぬかみっ!EXわんわん!! (電撃文庫) | |
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蛇足
という言葉がありますけど、この本は「いぬかみっ!」の蛇足的作品です。
ま、蛇足という言葉は通常悪い意味で使う訳ですが・・・でも読んでて楽しかったんだなぁ・・・。なんというか、蛇に足が生えてなんか気がついたらトカゲになっちゃった? みたいな。蛇が好きだったんだけどトカゲも悪くないね? みたいな。同じは虫類同士仲良くしようよ? みたいな。
うん、なんだか話からなくなってきた。とにかく多分この本が「いぬかみっ!」シリーズの最後の作品になるんでしょうね。あとがきを読んでそんな印象を受けました。
本編の方は
ざっくりと説明しますと、
- しんみりと短編
- 徐々に盛り上がって中盤
- ハチャメチャな後半
- 大騒ぎの大乱戦
というような構成になっています。
出番が多いキャラクターと少ないキャラクターの差があるのがちょっと残念でしたが、まあ一冊でまとめるとしたら十分に許容範囲でしょうね、と感じる出来でした。
印象としては
最終巻になるであろうはずなのに、なんだか種まきをしている匂いがするなあ・・・というのがあげられますな。
つまり現在進行中のシリーズ「ラッキーチャンス!」に繋がる・・・んじゃないかな〜と思わせる「何か」がちらほらと見え隠れするからなんですけど・・・。特に中盤付近でごきょうやが明かした事実は気になりますね。時間軸的にも「ラッキーチャンス!」と被ってきそうな感じがあるし・・・考え過ぎかな?
いや! この作者はなんだかんだ言って伏線をきっちり回収するところがあるからな・・・天地開闢医局の件についてもすっかり忘れてたけど、まさかこんなところでそんな種明かしなんて! 全くもって油断ならんですな!
総合
星・・・4つかな。
ファンなら安心して読める出来として綺麗に纏まっていると思います。これから先彼らが一体どんな道を歩むのか(個人的には「たゆね」が気になりますね!)は分かりませんが、夢と希望に溢れたラストシーンを用意してくれたんじゃないかな? とそんな風に思いました。
作者には素直に「お疲れ様」と言いたいですね。よくぞこの作品を生み出してくれました。よくぞこの作品を盛り上げてくれました。そして・・・よくぞきっちり完結させてくれました、という意味を込めてね。本編はもう前に終わってますけどね。それでもね。
そして我々読者は同作者の生み出してくるであろう次の話をゆっくり待つことにしましょうかね〜。