やってきたよ、ドルイドさん!(2)

やってきたよ、ドルイドさん! (MF文庫J)

やってきたよ、ドルイドさん! (MF文庫J)

ストーリー

由緒正しいドルイドを名乗る超絶美少女外国人・ホリン・シャレイリアが東京の多摩の奥地にある私立森野学園に転校してきてからしばらくの時間が経った。
シャレイリアは徐々に日本での暮らしにも慣れつつあったが、相変わらずどう足掻いてもドルイド的な行動から抜け出せないので、動物は引き連れるわ、木々と語り合うわ、怪しげな術は使うわでトラブルメイカーっぷりを発揮していた。
そのシャレイリアの側で諫めるやくどころであったはずの白川夏穂(委員長体質)は、何故か金髪ドルイド美少女の魅力で右も左も分からなくなっており、自分も女性シャレイリアも女性という特権を生かして、日々鼻血を出さんばかりにシャレイリアの可愛らしさを愛で続けるのでした・・・って、こんな話だったっけ? というシリーズ2作目です。

なるほど・・・

これはストレートに百合入ってきていますな。
百合というとなんだかまずい方向に想像がいってしまいそうですが、何というのでしょうかね、シャレイリアの可愛らしさがストレートに描かれるために、

「いや、これは同性でもハァハァするだろ、常識的に考えて……」

という印象になるからですが。

森の中にいるときは、自然の感覚を鈍らせないため、肌に密着する下着なども一切身につけないのだそーだ。
……ん?
それって、つまり……
あたしはふと、こめかみに手をあて、
「……っ!」
くわっ、と目を見開く。
いま、いまシャレイリアは、ノーブラ、ノーパンってこと——————っ!?

よく分かりませんが主人公の夏穂、このような興奮のしようです。

ちなみに

今回は短編仕立てなのですが、そのうちの一編では一緒に温泉なんかに入ったりもするので、もう夏穂の脳髄は蕩けきっておりまして。
とにかくシャレイリアを愛でたい、撫でたい、嗅ぎたい、抱きしめたい、くっつきたい、などなどの性を越えた泥沼のような所に片足を突っ込みつつあるような気がします。

「ひゃ、か、夏穂のばか……ひゃんっ!」
「ごめんねシャレイリア。あたしイケナイ子でごめんね」
「な、なにを謝っているのだ、わー!」
「はいはい、あばれないの♪」
なめらかな曲線を描く背中のラインから、フルーツみたいなお尻にかけて繊細かつ大胆な手つきでごしごし洗っていく。
「やっ、はぁ、はぁ、んっ……」

オヤオヤ? 理由ははっきりとは分かりませんがなんだかオヂサン興奮して来ちゃったよ? なんでかな? なんでだろう? 入浴シーンの可愛らしいイラストのせいかな? それともシャレイリアの桃色吐息のせいかな? それとも夏穂の一夜のアバンチュールのせいかな?
まあとにかく本編はこんな感じというか・・・。なんというかこの2巻でこの先の方向性が決まったんじゃないか、そんな気がしています。

でもねー

なんというのかな・・・それだけなんですよね。
するすると読める楽しさはあるんですが、それ以上がないんですよね。起承転結で言えば、起承までは良い感じなのに、転結あたりで発想の飛躍とか、読者を感心させる何かとかが足りないんですよね。
例えばボケ役(?)で神代法香というキャラクターがいるんですが、彼女とかをもっと生かせないもんでしょうかね? 彼女のようなサブキャラクターが生かし切れていないので、この作品はシャレイリアと夏穂のイメージビデオみたいな作品になっているような気がします。
映画にはなれないけど映像作品、みたいなポジションといえば分かりやすいでしょうか。物語的に奥行きがないというか・・・。まあ贅沢を言っても仕方がないのかも知れませんけど。

総合

やっぱり星3つかなあ?
面白い! と思われる作品になるための要素はあるような気がするんですが、それがもう一つ足りないんですよね。
シャレイリアも可愛らしいし、夏穂のキャラクターも良い感じに固まってきていますが、それ以外のサブキャラクターをうまく生かし切れていない感じがします。安心して読むことが出来ますが、次が出るのを楽しみに思えるかというと、ちょっと疑問符がついてしまう出来と言えば多分当たらずとも遠からずといった所ではないでしょうか。
1巻の感想でも書きましたが、何かがもう一つプラスされれば十分にやっていけるシリーズじゃないかという気がしますので、その辺りをもう一度練ってもらって次に進んでくれればいいなあ・・・そんな風に思いました。
ちなみに絶叫氏のイラストは本編内の白黒ページが非常に丁寧で好感を持ちましたね。登場人物の少女達の魅力満載なイラストは一見の価値在り・・・かな?

感想リンク