超自宅警備少女ちのり(2)

ストーリー

瀧口譲(たきぐちゆずる)は16歳の高校生。2週間前にこの土地・星見塚に引っ越してきたのだが、彼の生活は順風満帆……とは言い難かった。
引っ越して来るなり巻き込まれたお隣さん絡みのトラブルが、彼から家を奪い(単純に壊れた)、父を奪い(お隣さんにびびって逃げた)、結局自分を色んな意味で狙っているヒキコモリ娘の住まう家に居候するはめになってしまっていたのだった。
謎の地底人やら、異次元世界やら、世界最高峰クラスのお嬢さまの襲来やらでとにかく騒々しい毎日で、譲の精神は一種の悟りを開きつつあるという状況だった。
そしてまた今回もあの謎のアイテム「ドデカヘドロン」が良からぬトラブルを運んでくる。そしてそれに立ち向かう自宅警備員(天才だが変態でヒキコモリ)・ちのり・・・となるとやはりまともなままで済むはずもなく・・・という2巻です。相変わらず変な話だなあ!

前作に続いて

ノリと勢いがある話を書いていますね〜というのがまず第一印象で、最後までその印象のままのりきってくれたなあ・・・という所でしょうか。流石にちのりの変態っぷりには慣れたので、1巻を読んだ時のような衝撃こそありませんが、楽しいことは楽しいですね。

「あっ、ゆずきゅん」
「『あっ、ゆずきゅん』じゃねえ! なんだこの枕は!」
「やっ、返してぇ! 夜なべしてこしらえた『ゆずきゅん抱き枕真夏の夜バージョン』!」
「気色の悪いもん徹夜して作ってるんじゃねえ! いつの間にかこんな写真まで撮りやがって」
「ああっ、そんなにしげしげ見ちゃらめぇっ! 一部局所的に汚れてて恥ずかしいところ、詳細にみないでぇっ!」」

・・・一体どこがどのように何をして汚れたのか非常に気になりますね・・・いや、もう、慣れました・・・けど。

ところで

今回上手いなあと思ったところが一つありまして、それは新キャラの田中由美の存在だったりします。
彼女はこの話にあるまじき非常に日常的かつ普通でかつ目立たないキャラクターを全面に押し出しているキャラクターなのですが、いやいや、彼女がいることによって日常と非日常とバカとまともの差がはっきりとして、読んでいてメリハリがつくんですね。
正直いてもいなくても良さそうな(ひどい言いぐさですが!)キャラクターなのですが、実は話を面白くするには大事な存在だったんじゃないでしょうかね。今後の彼女の動向も気になります。譲くんとも何気に仲良しですし・・・これは一波乱ある・・・かもしれません。

それから

今回は地底人はとりあえずおとなしくしているのですが、そのかわりに爆乳様の登場です。

ぽにゅう。
形容しがたい柔らかさと圧迫感が、譲の顔を包んだ。
「でっ————!」
譲の口から、声にならない声が洩れた。こ、これは……全校男子生徒アコガレの的、シスター・プリンの胸の中に、今、おれ、単独無酸素登頂の快挙ですか! なぜと問われるなら、そこに山があるからですか!

シスターとある通り、シスターです。天然爆乳シスターのプリンさんです。色々な意味でおっぱい、いやいっぱいな彼女ですが、今回の鍵となる人物のもう一人ではありますね。乳なので乳好きな人なら読んで損はないんじゃないかと思います。

が・・・

私気がついてしまったんですが、p255からp259あたり・・・これ、一種の乱丁じゃないですかね・・・。
一回通して読んで見ると・・・なにやら意味が通じない部分が出てくるんですが、これがアラ不思議、ページをp259→p256→イラスト→p258・・・という順で読んで見ると、おや〜? なんだかすっきりと読めるじゃあありませんか。
編集でイラストを挟んだりする過程に何が起こったのかは分かりませんが、これは非常に珍しいタイプの乱丁じゃないかと思ったりします。うーん、なんともコメントに困りますな・・・。

総合

でもまあ面白く読めたので星4つかな。
新キャラも旧キャラも上手く使い回して良い感じで続編を書いたなあというのがやっぱり印象に残りますね。それと同時に感じるのがイラストの出来の良さでしょうか。実に光ってます。一枚一枚非常に丁寧に書かれていて、色合いからするとこれ全部カラーで書いているんじゃなかろうかね? なんて感じるのですがいかがでしょうか。
とにかく作家と絵師が協調体制で良い仕事すると、本も総合的にみたら面白く感じるという典型のような話じゃないでしょうか。後はそうだなあ・・・頑張れ、編集。

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