夏蟲

夏蟲
夏蟲





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表題作の

「夏蟲」から始まる4編の連作の出来がひじょ〜にイイんじゃないかな〜というのが個人的な感想だったりします。
良い子にはオススメできないというちょっと(というかかなり?)インモラルな展開になっておりまして・・・この話、電車の中での痴漢行為から始まるんです。インモラルというかズバリ犯罪ですな。
まあとにかく・・・しつこくつきまとう男の執拗なまでの変態行為と手練手管によって、その異常な状況に徐々に心と体を慣らされていく気弱な少女と、その花の散る様までがねっとりたっぷりと視点を変え、状況を変え、描かれます。

「おひ……
おひり……は
イヤれふ……ッ」

「わっ……
わらひ……っ
おひり……
よわ……
よわ……からッ」

「いじらないで
くら……ひゃいっ」

・・・まあもちろん色々とされてしまうのは前も後ろも上も下もという感じなんですが、とにかく淫靡という言葉がぴったりなようにねちっこく責めが続く話ですね。徐々に乱れていく制服と幼い少女。徐々に、しかし確実に散らされていく純潔。少女の台詞は実は少ないのですが、それを補うようにモノローグが挿入されています。

やっ……わ

あつく……て
ビクビクするのが
私の……中
かきまわして……っ

痴漢行為から始まるあらゆる変態行為・・・普通の状況ではあり得ない状況。しかしそれが読者を興奮させるんですね。
あり得ない、もちろん現実に自分で同じ事をするなどとんでもない、冗談じゃない、いやそれどころか自殺しろという感じです。しかし、だからこそ興奮する、興奮できるという奇妙な背徳感をともなった快感がここにあります

また

異様なまでなこだわりで描かれる黒タイツ&少女の足がアクセントとして物語に花を添えます。
奇妙な言い方ですが・・・ある種のフェティシズムを感じるというか・・・まあ黒タイツマニアの人なら必読という感じではあります。表題作以外にも少女の足にこだわった作品があるのですが、うーむ・・・その筋の人にはたまらんものがあるのかも知れません。ぶっちゃけ私には分かりませんでしたが。

表題作意外も

まあまあ読ませるという印象でしょうか。
ただ、全体的なクオリティで言えば上であげた作品が完成度といい絵柄といい一歩抜き出ているという感じはします。・・・というか、この作者の人の性的な対象がこう・・・概ねロリコンというか・・・その・・・ごにょごにょ・・・未成熟な少女を相手にした物語ばかりなので、そっちの嗜好が無い私にはちょっと評価しようが無いという感じですね。
ある意味その「年齢制限突破」の禁じ手を使っているので、それがイイ人にはイイ! んでしょうが、私はやっぱり色々な意味で成熟した女性がいいなあ・・・なんて思ってしまうのです。禁じ手を使っている関係で作品のオチも後味が良くないものが多いような気がしますし・・・うん、私は元気で明るいエロが基本的に好きなんだなあ、などと思ったりしました。

総合

うーん3か4かで悩ましいところなんですが・・・4にしておきましょうかねー。
個人的には表題作の連作4編意外には読むべき所が余りないという悲しい本なのですが、逆に言えば表題作の出来が良いというか、えー、恥ずかしながらお気に入り? なのでこの星になっています。
しかし、こういう本を読んでいると幼女とか痴漢ネタに本気で興奮するって大変だな〜とか考えますね。だって完全なフィクションの中でしか自分の性的嗜好を満たせるものが存在しないってことですから。いやあ・・・想像するだけで生きづらそうです。
規制なんてされたら彼らのマグマのような性的エネルギーが何処に吹き出すか分かったもんじゃないので、こういうガス抜きとも言えるものはちゃんと逃げ道として残しておかないと大変な事になるような気がしたりするのでした。