めがねでHで小生意気
めがねでHで小生意気! (ホットミルクコミックス 289) | |
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実に
腹立たしい本だった。もっとはっきりと言えば、興奮しないわけではないけれども、この本でイタしたら負けだ! という印象を受けた一冊だった。
表題作のヒロイン含め、ちょっとSっ気のある少女達に魅力はあるのだけども・・・どこまで行っても記号的というか、非人間的な描写がされていて、読んでいるこちらはロリコン向けの(あるいはツルペタ好き向けの)記号集でも読んでいるのではないかという気持ちにさせられる。
あり得ない展開というのは
エロマンガにはありがちなのだけれども、そのフォローが全くされないところも気に入らない。
兄に半ば襲われるようにして関係を持つことになってしまう妹もその後平然とその事実を受け入れてしまっているし、あるいは水泳部の部長にやはり襲われてしまった少女もその後ショックを受けることなく適当にコメディっぽく流されてしまう。
いずれの展開にしても、この少女達はあくまでもただの「絵」に過ぎないものであって、それ以上でも以下でもない。
確かに「小生意気」で扇情的な描写があるのでロリコン属性やふくらみかけ属性などがある人なら動物的に興奮できるとは思うけれども(もちろん私も興奮できたけれども)、この作品には「恋い焦がれて愛し愛して」という「人間の少女」は存在しない。
まあある意味でロリコン趣味はアングラなので、非人間的とも言える少女達の描写で正しいのかも知れないけども、やっぱり許せん。
まあ・・・
一応フォローしておくと、収録された全て作品が全てそう描写されているかという訳でも無いのだけれども・・・。
しかし全体で見たらやっぱり「お仕事」としての「エロマンガ」、あるいは「エロ描写」が目立ちすぎていて、精神的にもなんか萎える。こんな本に1000円も払ってしまった自分が憎いという気すらしてくる。
とりあえず
「未成熟なカラダの少女をエロイ状況に陥らせてそれを描いておけばいいや」
とでもいうべき堕落があちこちに散見されて、どう考えても人にはオススメできない。この作者は「職人」ではあるかも知れないが、「芸術家」ではないとでも言おうか。
引き合いに出すのもおかしいような気がするけれども、あの「キャノン先生トばしすぎ」に満ちあふれているエロマンガに対する情熱がこの本からはほとんど感じられない・・・といえば、言いたいことは伝わるだろうか。
総合
星2つ。
物語は無いに等しいのでほとんど価値がないし、絵柄ではエロシーンは気合いを感じさせるけれども、それ以外の場面ではやっつけ仕事っぽい印象を受けた。・・・いや、元もとそういう作風なのかも知れないけれども、とにかくコマの一つ一つに「念」が込められていないという悪い印象が良い印象を上回りましたね。読み返してみるとカラーページも無いし・・・。
まあ、とにかくつまらない一冊でしたね。よく分からんけどエロに対する愛がない。いや違うか。エロと少女に対する愛はあるのかも知れないけれども、漫画と人間に対する愛がない。結果としてそれぞれの作品に全く人間的奥行きが無いんじゃないかという本でした。
逆説的に言えば、
「ただ消費することを重視した、S属性少女が出てくるツルペタロリコンエロ」
という意味では正統派とも言える正しい姿なのかも知れません。エロ(抜かせてナンボ)において、少女達に恋や愛を重視した人間的味付けを付加するというのは、一歩間違えると無駄なノイズを増やすという行為になりかねませんからね。
けど・・・私には不満たらたらな一冊でした。さっさと売却して次に行くことにします、はい。