ギャルゴ!!!!!(6)ー地上波初登場大全ー

ギャルゴ!!!!! 6 (MF文庫J ひ 1-6)

ギャルゴ!!!!! 6 (MF文庫J ひ 1-6)

ストーリー

田中春男(たなかはるお)は一見何の変哲も無い中学二年生であるが、実は「ギャルゴ」という二つ名を持つちょっと変わったところのある少年だった。とにかく人間以外の多くの女性に愛される運命を持って生まれてきており、その能力がギャルゲー方面に発揮された結果ついたあだ名が「ギャルゲーゴッド」略して「ギャルゴ」である。
そんなギャルゴは今やもう一つの顔を持っている。それは「地方都市伝説」略して「地伝」を解決する謎のヒーローとしての顔である。ギャルゴは多くの女性(人間外多し)の協力を得ながら、地伝を作り出す謎の敵「噂長」と戦いを続けていた。
そして遂に苦労をしながらも宿敵とも言える存在「噂長」を倒すことに成功したギャルゴとその仲間たち。これでめでたしめでたし・・・となれば良かったのだが、そうはならなかった。
ギャルゴたちが巻き込まれた「プチ神隠し」を解決して、元の世界に戻るという重大なミッションが残っており、そしてその裏には「プチ神隠し」と同時に登場した謎の少女・由井妃唯(ゆいきい)が関わっていたのだった。
遂に色々な謎が全て解かれる最終巻! 最後の最後までギャルゴは頑張ります!

想像以上の

喪失感を読了後に感じてしまいました。
なんというか・・・自分でもビックリなんですけど、ギャルゴとその仲間たちにもうこれで会えないと思うと、凄く寂しくなってしまったのです。本当に彼らに愛着を感じていたんだなあ・・・なんてしみじみ思ってしまいました。この手の話にしては珍しく再読までしてしまいました。
一人一人がやっぱり魅力的なんですよね。ギャルゴのヒーローらしくないけどしっかりヒーローしている所も好きだし、エリアスのエッチだけれども頭の回転が速いところも気に入っていましたし、「ワン」しか言えないけど感情豊かなかま子も魅力的だったし、コトリさんの総天然過ぎて憎めないところも良かったし、ライムの素直じゃないけど素直なところも可愛らしかったし、ハナさんのちょっと地味だけど何気に積極的なところも愛らしかったですし・・・とにかく登場人物が全員と言って良い程魅力的でした。

それに

前巻からの伏線が綺麗に回収されていくところも良かったですね。
ちゃんと無駄なく計算されて作られているなあ・・・なんて思いました。1巻の頃には想像もしませんでしたが、全然物語の本筋ではないと思われていたところが本筋に大きく関わって来るところなんて(例え後付の設定だったとしても)良く考えてあるなあと感心しました。
そして今までの積み重ねを全部使い切るようにして事件解決に挑むというのが実に楽しかったですね。しかも5巻でギャルゴの正体がクラスメイト達にばれてしまっていますから、春男はみんなを率いるヒーローとして「プチ神隠し」というこの最後の問題の解決に当たることになります。ギャルゴに協力するクラスメイトもみんなで頑張っているし、とても良い気分で読み進められましたね。

今回は

前巻の噂長との戦いとはうってかわってアクションはほとんど無く、頭脳戦というか仲間たちとの連係プレーで結果を出すという感じで物語が作られていたところもメリハリが効いていて良かったですね。
そして、何気に登場人物の多い作品なのですが、今まで登場してきたキャラクターが無駄なく活躍の場を与えられているところには感心を通り越して感動すら覚えました。ライトノベル作品では「出すには出したけど、その場限り」みたいな扱いになるキャラクターが出てしまうことが珍しくありませんが、この作品に限ってはそれがなかった、という事ですね。
うんうん・・・作者がこの作品に対して感じているであろう愛着を私もしみじみと感じましたね。

総合

満点星ですね。5つ星。
完結してしまったのが嬉しいような悲しいような・・・というのが本音ですが、本当に綺麗にまとまっているので未読の人はこれを機会に1巻から読んでみるというのはどうでしょうかね? 私も時間を見て最初から再読してみたいと思います。きっと何か新たな発見があるに違いありません。
・・・でも本当にこれで最後なのかあ・・・ギャルゴたちの活躍をもっと見たいんですが、ダメですかね? なんかこう仕切り直しみたいな感じで新章突入とかしてくれたら、私は小躍りして喜ぶんですけどね〜。無理かなあ・・・?

感想リンク