Horny

Horny (ホーニイ) (富士美コミックス)
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これは良作

と言い切ってもいいかな〜という作品ですね。
読んで見るとそれ程刺激的という訳ではないのですが・・・何故か何度も読み返したくなるような本ですね。例えば「ツンデロ」あたりと比較すると、はっきりと「いやらしさ」という意味では大人しくなってしまうのですが、それを補うだけの魅力があります。
一話一話全く違う切り口で楽しませてくれるという所が楽しいというのもありますが、登場してくる女性達の百花繚乱で魅力的な事といったらありません。熟れ熟れの食べごろ女性がいるかと思えば、未成熟で甘酸っぱそうな少女がいたりして、あの手この手で楽しませてくれます。
話の展開もシリアス風味からコメディ風味まで幅広く取りそろえていて、収録された作品のいずれかは読者の好みにガッチリとハマるのではないでしょうか。

全体で眺めると

決して陽気でゴキゲンという感じの作風では無いのですが、それでも読了感は良いですね。いや成年コミックで読了感が良いとか悪いとか言うのってなんか変なような気がしますが、そういう事を言いたくなるような叙情的なムードがあります。
そのムードの源泉を辿っていくと・・・やっぱり登場するキャラクター達に人間味がある、の一言に尽きるでしょうか。成年コミックでは女性は性的な記号を持っただけの存在に貶められる傾向があると思うのですが、この作品にはそうした部分が少ないです。ある意味そのために単純に「いやらしさ」という部分での強烈な印象を残す訳ではないのですが、ジワジワと響いてくるんですよね。
人間味のある生々しい女性達が見せる痴態が、ボディブローのように効いてくるんです。ボーッとヤラシイ事を考えていたりすると（いや男にはありがちなことだと思いますが！？）何故かこの漫画の１シーンを思い出していたりする・・・という感じです。

総合

安心の星４つ、でしょうか。
少女達は時に淫らに、あるいは純情に男を誘いますし、大人の女性は時に大胆に、あるいは退廃的に男を惑わせます。収録された作品の中には苦い味を持った作品もありますが、それでも全編通して読んだ時に感じるのは、作者が誠意を込めて成年コミックと、ひいては男性の性欲と向き合っているという印象ですね。それが心地よいのです。
聞いたところによるとこの作者の人、女性だという事なのですが・・・言われてみれば何となくそういう印象がありますね。女性でないと表現するのに躊躇ってしまうような「性的な奉仕の精神」がこの本にはある、とでも言いましょうか。うんうん、おすすめの一冊ですね。