寝る前の一時vol.24

いつも家に帰る前に必ず奥さんに電話します。

「ふー、今から帰るよ〜」(俺)
「あ、今日はね〜、晩ご飯なんだと思う?」(奥さん)
「んあ? なんだろ? 昨日の晩ご飯が和風だったから、中華とか?」(俺)
「ぶぶー。あなたの好物ですよ〜?」(奥さん)
「オオッ!? ハヤシライスかっ!?」(俺)
「そうで〜す! 良かったね〜!」(奥さん)
「超特急で帰るゼ!」(俺)

という訳で家に到着。キッチンでは晩ご飯の準備をする奥さんの姿が。
しかし・・・。

「あ、あれ? 晩ご飯はハヤシライスだったんじゃ……?」(俺)
「……」(奥さん)
「でもこれって、どうみてもミートソースだよね? いや好物だから気にしないけど」(俺)
「……」(奥さん)
「さっき電話で言ってたよね!? ハヤシライスだって……」(俺)

顔を伏せて何も言わない奥さん。なにやら手を握りしめてプルプルと震えています。
が、顔をいきなりあげると言い放ちました。

「嘘だッ!!」(奥さん)
「いやその台詞の用法はなんか違う」(俺)
「……ハヤシライスを、作っていたはずなのに、ホールトマトを使い出した辺りでなんだか混乱したらしく、気がついたら何故かミートソースになっていたのです……。オヤシロサマの祟りなのです……悪気は無かったのです……。」(奥さん)
「まーとにかくお腹空いたからご飯にしようぜー」(俺)
「あい」(奥さん)

いや、何気に面白かったですよ? ひぐらし・・・。