僕は友達が少ない(3)
- 作者: 平坂読,ブリキ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2010/03/24
- メディア: 文庫
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ストーリー
隣人部なる怪しげな部活が聖クロニカ学園には存在した。
名前はなにやらボランティアでもやっていそうな感じだが、実際の所は人間関係が破綻している関係で友人が全くいない生徒が「友達づくり」のために集まっているといういろんな意味で終わっている部活だった。
ハーフのお陰でくすんだ金髪を持った特殊な人相と、繰り返された引っ越しのお陰で友達らしい友達が一人もいない羽瀬川小鷹は、この残念な部活の創立メンバーの一人である。そして隣人部の発足から一ヶ月が過ぎ、一通り駄目な特徴がそろった生徒達が集まってきていた。小鷹以外は何故か美少女という状態ではあったが。
リア充たちを憎みつつも羨ましがっている隣人部の面々は、今日も将来のリア充ライフを夢見て怪しげで無意味っぽい活動を行っているのだが・・・どう見ても小鷹くんがもの凄くリア充です。というかリア充を通り過ぎてハーレム状態です。
タイトルは「僕は友達が少ない」なのである意味で間違ってはいないのかも知れない・・・が、両手どころか両足使っても捌ききれない美少女達に囲まれた状態で「友達が少ない」もクソもあってたまるか、という読者の声は作中の登場人物には一切届かないので本を読みながら身悶えたり罵声を浴びせたりしても小鷹は痛くも痒くもありません。
というような感じで始まる学園ダメラブコメディの3巻です。
作中は夏ですね
という訳でもの凄くリア充の匂いがしまくっている感じで作られている作品な訳ですが、実際凄いリア充っぷりですね。
1巻のころはゲロを吐いていたヒロイン達もなにやら立派になって、今作では水着姿などを披露してくれたりします。というか隣人部だけでプールやら海やら行っちゃったりするんですが、結果として作中で展開される物語のおっぱい指数の高さに、ドグサレな青春を送っているであろう一般読者の心は黒々とした何かに覆われていくに違いありません。
作中で携帯電話の番号を交換するシーンが出てくるんですが、皆さん携帯に友達の番号沢山入ってますか。一桁とかじゃないですよね? ぶっちゃけ仕事がらみの電話やメールしか入ってこないので、携帯が鳴ると「誰かな?」と思う前に「うわ、めんどくせぇ!」とか思う充実ライフを送ったりしていませんか? というか携帯なんかない方が人間って幸せなんじゃないかとか思って衝動的に携帯をゴミ箱にボッシュートしたりしていませんか? 間違って水没させたりした場合も「しめしめ、これで連絡がつかない言い訳になったぞ」とか思ったりしていませんか?
・・・まあ上記のような内容はあくまで私の想像したフィクションなので、実際の私の生活とは一切関係がありません。現在もこの文章を半裸の美女に囲まれながら暖かいプールサイドでシャンパン片手に書いています。本当です。
tkrd(ところで)
話の方ですが、うーん、こういう日常系ライトノベル(勝手に命名)って、私の場合どうしても飽きて来ちゃうんですよね・・・。
作品自体は決して読んでいてつまらないという訳ではないですし、特に二大ヒロインの三日月夜空と柏崎星菜が結構魅力的なので読んでいること自体は全く苦痛を感じないです。他のメンバーが充実してきたこともありますが、マリアと小鳩の凸凹コンビもコミカルで面白いですし、小鷹と幸村のボケツッコミも良い感じです。個人的には全力で理科一人が浮いているような気がしますが、多分今後も浮いているんじゃ無かろうかと思ったりします。
でも結局のところそれだけなので、ストーリーを追いかけつつ個々人の関わりを楽しむような読み方をしようとすると「足りない」のですよね。なんといっても作中の殆どがキャラクター同士の会話で終わっているわけで、それこそがこうしたライトノベルの「本体」であり「醍醐味」な訳です。そこを強く楽しめないとこうした「日常系」の作品を楽しく感じるのは難しくなります。
「生徒会の一存」とかもそんな感じだったかな・・・? あの作品も最初だけは楽しめましたが3巻あたりで読んでいられなくなりましたしね・・・。まああちらよりこの作品の方が気に入っていますが。
でもですね
ウケるとは思いますよ?
なんだかんだいって非コミュ的なメンタリティを持ったキャラクター達がアホらしい行動をとり続ける姿というのは、奇妙な悲しさに似た可笑しさというのがあって、その辺りが主人公のリア充っぷりを見せつけられてささくれた読者の心を癒してくれるという毒と薬を同時に服用しているような奇怪な気分にしてくれます。
・・・でも大概どうかと思うわけですよ。思春期まっただ中のはずなのに兄の前ですぐすっぽんぽんになる妹の小鳩などはもうメガストアとかLOとかだったら確実に一本狙っているというノリな訳ですよ。それに加えて星菜に関してはもう言い訳が出来ないほど作中でぷるんぷるんな訳で、その姿は恐らく恋人とか夫とか相手じゃないと見せてはいけない類の姿だと思うわけですが、イラストの秀逸さも手伝って悔しいけど妄想する気持ちを止められません。
まんまと作者の思惑に乗せられている自分を自覚する訳ですが、男の子なのでどうしてもそっちに想像がいってしまうのは仕方がないですね。・・・ちなみに一番想像力をかき立てられてしまったのは夜空の水着姿だったのでやっぱり時代は着エロなのかと思いつつも、明らかにあふれてこぼれている星菜のたゆたゆにもメガ釘付けになってしまうのは肉食系男子として仕方ありません。
総合
星・・・4つかな・・・。
色々と乗り切れない的な事も書きましたが、読み進めていく上でつまずきを感じるような所を殆ど感じませんでした。特に何事もない物語なので先が気になるという事が(私的に)あまり無いはずですが、それでも先を読んでみたいという気持ちは終始持ち続けることが出来ましたね。
あまり展開らしい展開が無いとは言え、最後の最後方で残っていた弾丸を放出してきたのは結構驚きましたね。いや、もっと引っ張るかと思ったんですが意外にも早い段階で勝負をかけてきたのはなかなかに好印象でした。ライトノベルって引っ張られることの方が多いですから、これはこれで良いものですね。
イラストはブリキ氏です。カラー&白黒イラストともに非常に良いのではないかと思います。特になんと言いますか・・・えー少女たちの不思議と肉感的な丸みというか・・・そういうのが実にえっちなのでいけないと思います。ところで表紙が小鳩ですね・・・妹萌えのケがある私にとっては嬉しい展開です。妹なら貧乳でもいいんだ・・・! という事に気がついたのはつい最近の事ですが、別に大した閃きでもないのでこの辺りに適当に書いておくに止めることとします。はい。