猫物語(黒)

猫物語 (黒) (講談社BOX)

猫物語 (黒) (講談社BOX)

ストーリー

ひねくれた高校生である阿良々木暦が怪異に魅入られて、自分自身が怪異となってしまった春休みの出来事からしばらくの後、つまりゴールデンウイークでの出来事を記録した一冊がこの「猫物語」である。
この時はまだ彼の周りには親しい人間はほとんどいない。ただ一人だけ、唯一の例外である女傑・羽川翼を除いて。
そして、怪異は怪異を呼ぶのか、あるいは羽川の特異性が怪異を呼ぶのか、阿良々木くんの側でまた新たな異常事態が発生することになる。もちろん怪異に魅入られたのは羽川翼である。しかし、羽川本人が当時の記憶を失っており、忍野メメが姿を消した今となっては、その事件の全貌を知るものは彼をおいて他にいない。彼と彼を運命を共にする吸血鬼を除いて。
この話は「傷物語」と同じく「化物語」の前日端であり、既刊の作品の中で語られていた”羽川猫化事件”を綴った一冊である・・・。

ん〜

序盤は腹筋が切れるほど退屈でしたな〜というのが本音。
言葉遊びが楽しいシリーズではありますが、ストーリー的に必然性というか重みが感じられないシーンに大量のページを割かれたので、序盤で放置しようかと考えたくらいです。この「〜物語」シリーズでは初めてのことでしたね。具体的には暦とその妹である月火があーだこーだと喋っているシーンですが。
まあその、読者サービス的に月火ちゃんのぱんつ見たり見られたり、おっぱい揉んだり揉み倒したりするシーンがあったりもしますし、相変わらずの軽妙かつ無意味に凝った会話は悪くないんですが・・・どーにもノらなかったですねえ。
まあ作者的にも自覚はあるんでしょうが、ものごっつう濃いキャラクターが出まくっているこのシリーズにおいて「月火」というキャラクターの立ちが妙に弱いんですよね。和装趣味のマニアック妹ではあるのですが、いかんせん絵が無いのでパンチに欠けます。ベッドに適当に横たわる和服美少女中学生とか、もうその設定だけで不謹慎な位ハレンチなような気がするのに残念至極です。
・・・とすると小粋なトークで作品を盛り上げるしか無いわけですが、ぶっちゃけ「ある程度まともで、それでいて面白い」という感じのキャラクターを既に出してしまっているので(例:かたつむり)、どーもパッとしません。しかもそこで話されている内容がかなりどうでもいい感じとなればなおさらだったりします。うん、残念。

まあ

この暦&月火パートを過ぎたあと、羽川が登場するようになってからは話が面白くなるんですが。
内容的にはかなりシリアスに話が進む感じですね。「化物語」を読んでいると羽川の心情が想像できてなんとも切ない気持ちになったりするんですが、「傷物語」程には羽川に萌えられません。何故かというと、この「猫物語」では「羽川翼の持つ異常性」というのがひたすらクローズアップされるからなんですが。
なんというんですかねー。真っ白な表側には真っ黒な裏側が憑きものとでもいいますか、羽川の精神のひび割れを覗きこんだら、途轍もなく深い暗渠とでも言うべき部分が見えてしまったというか・・・それが実に気味が悪いんです。ケツにツララを突っ込まれるような気分になるというか・・・ぶっちゃけ和風ホラーテイストですね。いや、人間誰しも秘密があるもんですが、許容可能な秘密とそうでない秘密というのがあると思うわけで、羽川の場合は個人的に許容不可能だと感じたわけです。
それでもまあ不思議なのは、そうした事実を並べられたことによって羽川翼というキャラクター全てがNGとなってしまうわけではないという所でしょうか。どんな裏側を持っていようと実際の羽川翼という少女はどこまでいってもあの善良な羽川翼である訳で、裏があるから表もあるという事を読者である我々が当然のように理解しているからなのかなーとか思います。
・・・うーん、こう書くと結局のところ羽川翼というキャラクターの魅力が増しただけのような気もしないでもないな・・・。

とすると

変なのは主人公の阿良々木暦という事になるんですが、なんつーか実に面倒くさいメンタリティーを持ってやがるなこの野郎は! とか思ったりしました。若いんだからもうちょっと脊髄反射的に羽川の乳の一つも揉みやがれ! と思ったのはきっと私だけでは無いはず。あの小田和正も、

あの日 あの時 あの場所で
乳を揉まなかったら
僕らはいつまでも 見知らぬ二人のまま

と歌っているように、揉むべき時には揉むのが唯一の正解なのです。
こう言っては何ですが、けしからん程に無防備な乳に無意識に手が伸びてしまったとしても決して責められないのが思春期というもの。短いスカートの中に隠された慎ましくも大胆な下着を念じるほどに見たいと思って実際に無理矢理にでも見てしまうのが青春というもの。つまりは大きな乳を自分の目の前でたゆたゆとさせている女子高生なんていうのは間違いなく誘っているか欲求不満なので、暴力的に揉んだり舐めたり噛んだりするのが正しい紳士のスタイルというものだと思うわけですが、どうでしょうか? つまり暦は翼のおっぱいを揉むべきだったのです。
もちろん、そのような事を真に受けてこの現実社会で実行すると全自動でブタ箱行きになってしまうべきであるのは言うまでもありませんが、このブログを読んでいる読者諸氏は現実と夢の区別が明確に付いていると思いますので、上記のように自分自身が全く思ってみたこともない破廉恥な事を安心して書くことが出来るという訳です。
とにかく、個人的には私も羽川にだったら殺されてもいいかもしんないです。でもどうか殺す時はそのふとももとかではさみ殺してくれると幸せです。いや、顔面騎乗とかも捨てがたいです。それで死ぬなら本望です。ね? え?

総合

益体もない事ばかり書いてきましたが、んー星4つかな・・・。
面白いんですけど、月火パートがなければなあ・・・というのが本音ですね。あの部分できっちりしっかり星を一つ無くしている感じです。でもまあ、この話を読んだあとに既刊シリーズを読み返してみたりするとまた新たな発見とか(あるいはつっこみ所とか)を見つけられるような気がするんでファンにとってはある種のお得感があるような気がしますが、それはそれこれはこれ、という感じですかね。
今後の刊行予定とかを見るとなんだかもの凄い数の「〜物語」シリーズの刊行が予定されているようなのですが、黒があるなら白もあるという事で次は「猫物語(白)」という事だそうです。これで羽川のバランスがとれるようになるのかな〜とか想像したりするわけですが、どうなるのか楽しみですね。
つーか今ふっと思いついたというか思い至ったんですが、猫物語(黒)ってつまり・・・この話で描かれる羽川の精神面を端的に表現したものであるのでしょうが、でもそれ以上に実は単に"羽川がつけていた下着の色"じゃないかとか思うんですがどうなんですかね!? 個人的には白い下着も黒い下着もどっちも大好きですが、もう一歩踏み込んで赤をベースにしたスケスケっぽいレースの下着とかも大好物ですので、猫物語(赤)とか(紅)とかやって欲しいものです。エロ度150%増し位で。

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