囮物語

囮物語 (講談社BOX)

いやあ

相変わらず撫子ちゃんは可愛いですね！　なんだか色々とナニしたくなる所が実に罪作りですね！　とかなんとか言ってハァハァしながら読み出したらなんだかオープニングから暦お兄ちゃんと殺し合いしててびっくり！　ですがまあ、私的には「まあそういう事もありますかー」って感じで実に平坦に読み進めてしまいましたねー。
いや、ねえ。撫子ちゃんですからねぇ。本気になったら日本の一つや二つ沈没させるでしょう？　ねえ、ファンなら当然のようにそう思いますよねえ。忍ちゃんだって一歩間違えると日本を滅ぼすんですから、撫子ちゃんだって街の一つや二つ完全撃破してもおかしく無いじゃあありませんか？　うん、個人的には全く違和感がないです。
まあ結果としてめでたく本当の意味で第二部（？）のラスボスとして君臨できそうですが、こんなの今のところ出ている情報レベルでは、FFXで言うところのデマ情報「ラスボスはエストシーモア」位の信頼度にしかならないので、まあ話の続きをまったりと待つのが良かろうと思いますよ、うん。

撫子ちゃんは

可愛いけども、その可愛らしさを「可愛いだけで色々得してるので気に入らない」「なんとなく真面目そうに見えるから千石に丸投げしておこう」「可愛いに事にしか価値がないようでイヤ」とか感じている人（撫子ちゃん本人含む）からサンドバッグ状態にされるのがこの囮物語でしたかね。
まー、そこに至るまでに言いたいことが撫子ちゃん的にも、あるいはアンチ撫子ちゃん的にも色々とある訳なんですけど、基本的にどれも野郎作家が書き連ねたタワゴトのレベルを超えていないのでどうでも良いんじゃないかなーなんて思いました。そもそも見た目だけ（しぐさ等含む）の可愛らしさの女の子なんてのは速攻で女同士の間で淘汰されるので、可愛いと言われる女の子にはやっぱり可愛い秘密があるのですよ。
だってねえ、可愛いものは可愛いし、それが暴力だろうが弱さだろうが攻撃的だろうが被害者じみていようがどうだっていいんですもん。可愛いという事実にどんな理屈や不都合をくっつけたって、可愛いという事実は覆らないのであるからして「裏表があろうがなかろうが関係あるか馬鹿！」と言い切れる鍛えられた紳士淑女諸君は、私と一緒に撫子ちゃんのためにとりあえず全裸になっておきましょうか？

でね

まあ誰しも道は間違ったりするわけですよ。
今回の撫子ちゃんの場合は取り返しがつくのか、あるいはつかないのかまだ分かりませんが、なんか扇ちゃんとかって名前の人が暗躍していたりもするみたいなので、やっぱりまあ様子見ですよな。
とにかくですね、あの完璧な羽川翼さんだって猫になったりして阿良々木暦くんから「吸い取り殺す（未遂）」とか試みてるんですから、可愛さでこっちの世界にも影響しまくってMAD動画とかが大量発生した撫子ちゃんですよ？　ならばメデューサになるくらいはアリの範囲じゃないですか？

「そこらじゅう石像だらけじゃねえか〜！　ド外道が〜〜〜〜！」（暦くん）
「ガ〜〜タガタうるせえんだよ！　たかが二、三人石にしただけじゃねえか」（撫子ちゃん）
「地獄へ堕ちろ〜〜〜〜！」（忍ちゃん）
（ブラック・エンジェルス風）

くらいの展開は想定の範囲内です、とか思ったのは私くらいですか？　昭和の少年ジャンプで鍛えられている世代なら死亡フラグの２、３本は気にしないのが基本スタイルです。

総合

星４つかなあ？　珍しいことに１冊完結型を取ってきたこの「〜物語」シリーズが始めて「以下次号！」になったので、まあこの星になるのは仕方がないかな、という感じです。ただ、撫子ちゃんの内面のダメさ加減（まあ普通の中学生らしいレベルですが）がちゃんと書かれるので、単なる萌えキャラ以上の存在として今後活してくれる可能性が出てきました。ファンとしては嬉しい限りです。
まあ作品の構成がどうなってるとか、化物語を口で囲うと「囮」という字になるんだとか、花物語に撫子ちゃんだけ名前が出てこないのは何でなんだぜ？　とか考えるときりがないのでそういうのは考察好きな人にお任せします。私は西尾維新の物語に関しては退屈しなければ良い派ですね。
あ、あとそれから月火ちゃんとかが再登場して容赦なく撫子ちゃんを責め立てるんですが、暦お兄ちゃんとの仲の良さがハンパないのでいつでも小姑になる準備がありそうな所が怖いです。本当に阿良々木兄妹は洒落にならない仲の良さなのですが、一体どんな邪教の呪いを使ったら妹にここまで愛される兄になれるのでしょうか。というかそれ以前の問題として、よくよく考えると登場しているヒロイン群を一通り一度は精神的にモノにしている暦くんは恐ろしい少年です。お前が俺らにとってのラスボスだろ。

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