ゼランディーヌ〜性悪ないばら姫〜
ゼランディーヌ―性悪ないばら姫 (集英社スーパーダッシュ文庫 う 1-18) | |
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ああっ、最近無条件地雷か!? とか思っているアレじゃないか!? ヤバいか!?
いや、これはこれでアリ! セーフ!
前書き
ストーリー紹介の前に、あとがきの一部を引用します。
「深○○子の二の腕はどうしてあんなにふくふくしているんでしょう?」
「ネコミミはね、虎柄より豹柄がいいと思うんですよ」
「ア○ミ○にシャーリングの制服なんてありましたか?」
「ペチコートはもっと短くてもいいと思います。何しろ中はガーターですから」
「ここのウサギの尻尾は無線でいいんじゃないですか?」
というような編集会議を経て、この作品は世に生まれでたそうです。興味深いですね!
ストーリー
朽葉ひなこは、途方に暮れていた。
仕事を求めて王都に出てきたのはいいが、財布はすられるし、電車の駅は乗り過ごして治安の悪そうな所に出てしまうし、強烈な酸性雨が降っているのに傘もない。一体何でこんな事に、とか考えているうちにいきなり暴漢に襲われて人生最大のピンチに!
しかしそこに颯爽と現れて彼女を助けたのはモノクルをした美女だった。彼女(ロジーヌと名乗った)に助けられるままに訪れたあるビルの部屋はひなこにとって王都に入ってようやく安心できる所となった。
雨と泥に汚れた身体をシャワーを浴びて清めていると突然ロジーヌとは違うひとりの可憐な金髪美少女が現れて、
「髪の毛、あらってあげよっか?」*1
なんて辺りから始まる混乱混乱。いろんな所で話が混乱! なにやら王都を巻き込む陰謀の一部に足を突っ込む事になってしまったひなこは大丈夫か!? そして謎の美少女の正体とは!? 酸性雨の降りしきる寂れた街で巻き起こるシリアスアクションストーリー。
朽葉ひなこ:エロい
- 衣装:ミニスカの挙げ句に大きく胸の上部が飛び出したメイド服
- おっぱい:でかい、ごっついでがい。触ると「むにょす。」という感じらしい。
とにかくヴィジュアルやら行動で楽しませてくれます。エロい。
「あっ……そこ、っ……」
ひなこはおもわず首をのけぞらせて呻いた。
・・・何も知らない田舎娘なんですが、ロジーヌや美少女すめらぎになされるがまま、なんだか実にエロい事になって行きます。いや、実に良いキャラだ。
今回はなんだかとんでもない事に巻き込まれてしまいますが、今後はどうなっていくやら・・・。
すめらぎ:可愛いけど怖い
とにかくのっけから少女のフリして媚びに媚びたりしますが、その対象は女性に限られまして、男性にはとことん冷たい。もうひたすら容赦ない。
「……腕の一本や二本でわめかないでほしいんだけどな」
とか平気で言います。人のキンタマも平気で潰します。
「——女の子の身体がどんなにか柔らかくて、それにどんなに可愛い声を出すか、知らないでしょ? 知らなくていいよ。知らないまま死ねば?」
全童貞を敵にまわすような台詞ではありますが、なに、この場合の相手は性犯罪者だから容赦の必要は全くないですね。
他にも
ストーリー紹介の所でもでてきましたが、ロジーヌや、ジャスミン、木崎ジンバといった魅力的なキャラクターが出てきまして、物語を程よく彩ってくれます。登場人物が多いわりには「このキャラクターの登場はなんか無理矢理挟み込んだなあ・・・」ってイメージが無くて、良かったですね。
話の方も謎の失踪事件の調査から、謎の解明、そして力ずくと、色々な方法で読者を楽しませてくれます。まあ、ミステリーではないですけど。
総合
星4つ。
十分に面白かった。そして女装しただけでは個人的に拒絶反応が出ないという事も分かった!
とにかくテンポが良いですね。えげつないシーンが結構出てきますけど、基本的に寸止め感がありますし、不愉快になる所まではいかないのがポイントですね。シリアス/コメディや、グロ/サワヤカのさじ加減が魅力的です。
緋鍵龍彦氏のイラストも動きとエロスが両方あってグー! 特に口絵カラーのひなことすめらぎの一枚はヤバい! アレだと分かっているのにヤバい!
感想リンク
神様が用意してくれた場所
- 作者: 矢崎存美,Fuzzy
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ストーリー
池沢香絵は探偵事務所でバイトをする19歳。別に探偵になりたい訳ではないというのが探偵事務所の所長のお眼鏡にかなったらしい。
という事で毎日お茶をいれたり、掃除をしたり、書類整理をしたりなどといった仕事をしていた訳ですが、ある依頼を切っ掛けに探偵の助手のような事をすることになって行きます。
そもそも香絵にはある一つの秘密がありました。昔から彼女の周りでは「ちゃんと説明できない奇妙な出来事」が起きていたのです。本人はそれを嫌って今の生活を始めたのですが、やっぱり探偵事務所でも変な事件ンに巻き込まれる事になって・・・というお話。
理論的な説明がつかない
という意味では完全に「ミステリー仕立ての実はホラー」ですね。
香絵の周りで巻き起こる不思議な事件の全ては科学的に説明のつかない事ばかりで、投げっぱなしになるんですがそれでも十分楽しいですね。最近でにているといえば電撃の「付喪堂骨董店」とかが挙げられそうです(ちなみに出版順とか全然気にしてないので、こっちの方が先かも)。
ただし、作品全体の印象としては、悲しいはあっても暗いとがエグいという印象は少なくて、全体的にいい話、ですかね。
短編連作です
一つ一つの事件には繋がりは特にありませんが、一つの事件に一つの奇妙な出来事という形で構成されています。簡単に各短編を紹介してみます。
まぼろしの十字路
存在するはずが無い十字路に迷い込んで行方不明になってしまった男性を捜してくれという依頼が舞い込むお話。街の一角に現れる別の世界への入り口? の謎に迫る話。
脆い女
女性たちがこつ然と消えてしまうという話。容疑者らしい男はいるのだけど、全く手がかりがない不思議な事件が起きていた。香絵はその事件の真の姿に迫って行く・・・その裏側には悲しい真実が。
すれちがいの気配
街で一度だけすれ違った「運命の人の気配」を持った相手を探して欲しいという依頼が舞い込む。気配だけを頼りにした奇妙な人探しの依頼の結果は? 何となく心が温まるようなストーリー。
湖の秘密
実家に帰省した香絵に届いていた一枚の手紙。それはかつての恩師からの手紙だった。実際に彼女の話を聞いてみると「湖」と「強い孤独感」に何かの関連性がある事に気がつくのだけど、その真相は・・・。
神様が用意してくれた場所
舞台はまた探偵事務所へ、そして最初の物語に出てきた「十字路」に戻ってくる。
謎の「十字路」の存在しないはずの道の向こう側には一体何がまっているのか。懐かしい人の面影、いないはずのあの人、ここではないどこかの物語。
総合
星4つ。
柔らかい雰囲気を持った作品で、刺激は無いですが手を変え品を変え楽しませてくれます。上ではホラーと言っていますが、別に怖い訳ではありませんのでそう言うのが苦手な人はご安心下さい。
基本的に主人公の香絵の独り語りで話が進みますが、香絵が意外に落ち着いた雰囲気を持っているせいか、作品全体が落ち着いていますね。続き、出ないかな・・・。
イラストはFuzzy氏ですね。最近だと「リヴァースキス」の挿絵を描いた人です。表紙の柴犬(?)・その名も「グミ」が可愛いです。
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表紙は「いぬかみっ!」の2トップ、ようこ&なでしこで構成されています。
最近実に女っぽくなって油断の出来ない美女になりつつあるようこに、最近だんだんと黒い黒い黒い・・・なでしこ。でも仲良しっぽいのがいいですな。
ストーリー
副題が初めてついてしまうだけあって、結構ドカンとくる一言で始まるような話。それは最長老のこんな言葉。
「あのな、わし、もう死ぬかもしれない」
最長老の一言は、そのまま「大妖狐が復活する可能性」を示唆していた。
そしてそれと平行して語られる川平薫の過去と現在。彼がいかにして今の彼になったのか? 彼は何を求めているのか? 真実の姿が徐々に語られて行きます。
さらにタイミングを合わせるようにして遂によみがえってしまう大妖狐。しかし事態はそれだけに収まらず、関係者全員の思惑を超えて凄まじい展開へと発展し——。とにかく「いぬかみっ!」シリーズで初とも言えるような大激動の1冊。
始まりは穏やか
薫に仕える犬神たちに対して、ようこの啓太自慢(惚気ともいう)から始まります。まあ最初は全く聞く耳をもっていない(少数を除いて)薫の犬神たちですが、そこへ投げつけられるようこの一言がいいですね。
「あんたたちはケイタの醍醐味がまるで分かってないわねー。いい? ケイタはね、とーっても手がかかるのよ? わたしがちゃんと世話を焼いてあげないとダメなの! カオルにそんな隙がある? お世話させてくれる?」
「あのね、ケイタはね、朝、起こしてあげないとダメなの。ご飯もあ〜んしてあげるとちゃんと食べるの。時々、お散歩もつれていくの! 少し目を離しただけで猫耳や変な服着ちゃうし、も〜、毎日が心配で大変♪」
基本的に犬神という人妖は世話好きなのである。
どっちが主か分からないような展開ではありますが・・・。
ああ、ようこ、今すぐ我が家に嫁に来てくれ。この瞬間、心底啓太が羨ましい!
まあそのかわり、
「もう他のオンナを見ないって誓うか? 誓うか?」
「誓いません! 誓いません!」
なんてやり取りもあったりして、ケイタは焼けこげになったりしている訳ですが、それでも羨ましいなあ・・・。
暗躍するなでしこ、そして赤道斎
さらには薫本人もその中に含まれますかね。「絶望の子」と呼ばれる薫に隠された秘密。その恐ろしい過去。
この辺りは今までの伏線が結構な勢いで回収されて行きますね。はっきり言って伏線についてはほとんど今回で回収されてしまうと言う事でいいんではないでしょうか。そういう意味では「いぬかみっ!」はこの8巻で完全に折り返し地点に入ります。
復活の大妖狐
ようこの父親なんですが・・・天然台風とも言える存在で、基本的に馬鹿、考え無し、子供が三拍子でそろっている超強力な妖怪ですね。
精神年齢ではすでにようこに抜かれてしまっている感じすらあるのがアレですが、その力は恐ろしいシロモノです。そして以前の戦いを繰り返すかのように対決する赤道斎と大妖狐・・・戦いの趨勢は、意外な結果を生み出して行きます。
おまけ
そういえば啓太ですが、以前フラノに予言された「おむつ」「下水を流れる」がこの巻で実現します。しかし何なんだかなあ・・・。
総合
星5つ。
伏線が一つに収束して行く過程は読んでいて実に楽しかったですね。
それに加えていままでユルい印象で進んでいた話が、後半で一気にシリアスが加速して行く様は実にドキドキとさせられました。ついに暴かれる薫の秘密もそうですが、それ以上に物語の行方と、この話での決着の付け方と、次への繋ぎは実に良かったですね。
あああ、完結してから読み始めて良かった。だって待たないで次に行けるんだもん!
イラストのクオリティは相変わらずですが・・・今回は巻頭カラー以外の四コママンガ不足でちょっと不満でした・・・。まあシリアス展開だったから仕方がないけど・・・。
感想リンク
今月は「いぬかみっ!」月間ですが
来月は何にしようかなあ・・・。
今の所候補はあっても敷居が高いものばっかりなんだよな〜。
出版分は読了済み
- 中途半端になっている「悪魔のミカタ」(+1)
- まだ手を付けていない「銃姫」(+1)
- 読了済みですが感想は書いてない「わたしたちの田村くん」(需要あるかな?)
途中まで読んでいるけど完走してない
読む所からスタート
う〜ん
それなりに巻数が出てないと「月間」にするのは難しいから、今の所はやっぱ「悪魔のミカタ」かなあ・・・ハードル高いけど・・・。
なにかオススメあります? 「これ読んでみろや!」とかも含めて。あったら教えて!goo。
ちなみに
「ライトノベルかな〜?」って思える作品だったら、「俺地雷かもしれねえ本に金出したくないからお前先行けや!」的な提案でも良いですよ〜。
まあまだ6月も半ばですしね、ゆっくり決めて行きます〜。