パラケルススの娘(6)薔薇と小鳥たちの輪舞曲
パラケルススの娘 6 | |
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ストーリー
今回は息抜き編ともいえる展開。
殺人事件なんかも関係ない所で起きたりしたりはするんですが、主人公達一行は別の事で日々緊張感が増していたのでした。5巻のラストでの影のロンドンの王女・ジンジャー(メガエラ)との約束(つまりデート)を果たす日が、刻一刻と迫っていたからです!
主人公の跡部遼太郎は仕方なく<パラケルススの娘>・クリスティーナにどこかお出かけ向きの所がないのか聞いてみたりするんですが、そこで薦められた「クリスタル・パレス」に行く事になります。しかし!当然その事実を快く思わない大和撫子が二人。
お嬢でツンデレでも健気・赤羽美弥子(あかばねみやこ)と、妹属性の地味だけど想いは強い・青野和音(しょうのかずね)です。二人は戦闘服とも呼べる艶やかな衣装に身を包み、ジンジャーを迎撃せんとする訳ですが、やっぱりまたしてもただで済む訳もなく、事件に巻き込まれて・・・という話。
交錯する3本の話
- バラバラ殺人事件の解決に駆け回るリース警部(おっさん刑事の奮闘)
- 遼太郎(朴念仁アスパラガス)と美しき3本の薔薇
- 少女シシィの初めてのおつかい
がそれぞれ一部ずつ重なり合って一つの事件を解決へと導く事になりますが、探偵はもちろんと言うと変ですが、クリスティーナですね。今回遼太郎君はあんまり良い所がありません。・・・いや、ない訳ではないのですが、3人の艶やかな少女達に引っ張り回されっぱなしという感じですね。彼の男っぽい毅然とした姿は次の巻で期待しましょう。
アツい恋の行方
ジンジャーのとても可愛い所が見られる話ですね。とってもか弱い所とか・・・。しかしジンジャー、いい娘です。そういう意味では美弥子も和音もとってもいい娘なので、失恋する所など見たく無いですねえ。穏健な三股交際目指して、頑張れ遼太郎!(え?違う?)
今回は取りあえずメインがジンジャーなので、彼女の可愛い所をピックアップ。
せっかくこちらが一週間も前からせっせと髪と顔を洗い、少年に見せるために汚していた肌をぴかぴかに磨きあげ、千もの髪型を試してはほどき、ありったけのドレスと小物を身につけては腹をたてて放り出すことをくり返して、様子をうかがっていた母さまのくすくす笑いをものともせず、こうして来てやった!
自分で約束を取り付けたはずなんですけどね!
シシィ、がんばる
まあ食料品の買い出しにおつかいに行くだけなんですけど、ちょっと危険なところなので、レギーネが行くというのですが、シシィは自分一人でも出来るもん!と勝手に出かけてしまう訳ですね。
「やーだーもーん——!! シシィ、ひとりでいくの——! いーけーるーの——! いーくーったらいーくーんーだーもーん————!!!」
・・・まあ完全にダダをこねている訳ですが、まあそこにはそれなりの理由もありまして、
シシィをほうっておいたかずねちゃんやみやこちゃんや、りょーたろーだってびっくりして、「えらいねえ、シシィは!」といって、うんとうんとほめてくれるにきまってる。
まあつまり、遼太郎のデートの件がシシィの暮らしに暗い影を落としていた訳で(シシィ的には)。・・・結局お使いの結果はどーもレギーネの協力でアレですが、それよりもずっと立派な事をシシィはやってのけてみます。
いいなあ、幼くて素直な少女は・・・ぐふ。よーし、オヂサンがあめ玉をあげやう(もう逮捕されてしまえ)。
おっさん刑事とクリスティーナ
バラバラな情報をかき集めて事件を見事に解決に導くクリスティーナの活躍は見事でしたね。まあもちろんリース警部も頑張りますが、今後も彼がクリスティーナを逮捕するのは難しそうです。・・・ま、頑固一徹ですが悪い人間ではないので今後も生暖かく見守ろうかなあって感じですね。
あ、そういえばバ(略)も出てましたね。完全に変態扱いでしたけど。
安心して読めたなあ・・・
ちょっと緊張感に欠ける展開だったんだけど、少女達がとても可愛らしかったので星4つかな。全員が鈴をちゃーんと身につけている所がとっても可愛い!
今回は可愛いシシィと凛としたレギーネが表紙イラストになっているので、取りあえず幼女の方を絵的にでも気に入ったロリーな人は買ってみても良いんでは?シシィ自体は1巻から出てますよ〜。
岸田メル氏のイラストも相変わらず良し。次も期待したいですね。