買うのをためらってしまうライトノベルたち

ライトノベル

出版数は新規出版社の参入によってここ数年増え続けていると思いますが、市場が飽和状態になると当然生存競争も激化するというのが世の中の常でありまして、色々な思惑の元あの手この手の趣向を凝らしたライトノベルが出版されることになります。
・・・が、中には売れ行きを気にするあまり頑張りすぎてしまったり、色々な不運があったり、思惑が狂ってしまったりなどの要因が重なることによって「買うに買えないライトノベル」というのがしばしば登場してくることがあります。消費者からすれば、作品自体は興味があるけど「何らかの残念な理由」によって買うところまで到らないか、二の足を踏んでしまう・・・そんなライトノベルです。
そんなライトノベルを思いついたパターン毎に例を挙げて説明してみました。一応以下の作品は自分で買った事があるもの(1巻だけとかはありますが)のみ挙げてます。

表紙絵が恥ずかしい

ライトノベルが常に抱えている「表紙問題」。
コアなファンにはウケが良いものの、余りにもいきすぎると良く訓練された強者以外は本屋での購入が困難になるという奴ですね。しかしまあ最近はAmazonなどのネット通販があるので、この問題による敷居は下がっているんじゃないかと思いますが。最近だと、

などなど。この本は私でも本屋で「うおっまぶしっ」ってなりましたからね。やはり半裸の少女がどどーんと出ているのは汚れなき若者には厳しいかもしんない。
ギブあっぷ3! (HJ文庫)

ギブあっぷ3! (HJ文庫)

こちらはコメントで教えてもらいました。おお、これは厳しい・・・!
魔女にタッチ!3 (HJ文庫)

魔女にタッチ!3 (HJ文庫)

こちらもコメントで教えてもらいました。うーん、青少年にはちょっと厳しいかも知れない・・・。
ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! (ファミ通文庫)

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! (ファミ通文庫)

こちらもコメントから。表紙よりもタイトルが恥ずかしいということで。タイトルの場合他にも沢山ありそうですが、分かりやすい例ではありますね。
また、「本についていた帯が恥ずかしかった」や「裏表紙の絵が恥ずかしい。隠せないから」といった意見もありました。なるほどって感じですね。

表紙絵が下手

コメントで教えてもらって追加してます。
「表紙が恥ずかしい」のが「やりすぎ」だとしたら「表紙絵が下手」は「やらなすぎ」なんでしょうかね。具体的には何があったかな・・・。ああ、例えばコレとか?

ドンこい! (ジグザグノベルズ)

ドンこい! (ジグザグノベルズ)

本編イラストも「ない方が良かったんでないか」とか思った記憶があります。あ・・・「ジグザクノベルズ」というレーベル自体が既に無いですね。なんという・・・。
まあ絵に関して言えば私は上手い下手というのはよく分からないんで(好き嫌いはありますが)あまり思い出せないんですが・・・露骨に「コレはないだろ」という作品があったら教えて欲しいです。
塩の街―wish on my precious (電撃文庫)

塩の街―wish on my precious (電撃文庫)

こちらはコメントで教えてもらいました。
上の作品とは直接関係ないですが、ライトノベルに限らず本の表紙って大事ですね。「縁付き箔押しエンボス加工でピンクと緑のストライプの表紙」っていうのはなんのネタだったっけな?

裏表紙にあらすじがない

コメントで教えてもらいました。
カバーの折り返し部分にあらすじが書いてあったりする場合(電撃文庫とかですが)、本屋でビニールカバーをかけられると内容の確認が出来ないので困る、というもの。あらかじめ情報収集しておかないと買うのを躊躇うことになりそうです。

ぐらシャチ (電撃文庫 な 7-13)

ぐらシャチ (電撃文庫 な 7-13)

上は単なる参考ですが、とりあえずタイトルだけだと内容が推測不可能と思われる最近の作品を選んでみました。裏表紙にはオカリナの絵があるだけですから、前もって内容を調べていなかった場合作者の名前で買うしかなくなりますね。

値段が高い

内容的にはライトノベルなのに、どうしてそういう値段設定にしたのかという作品。
あらかじめ作者を知っている層に売れれば十分という戦略なんでしょうけど、作者を知らない層の新規読者の獲得は難しいんじゃないかと。

ハルカ 天空の邪馬台国

ハルカ 天空の邪馬台国

連射王〈上〉

連射王〈上〉

シフト ―世界はクリアを待っている―

シフト ―世界はクリアを待っている―

私は全部作者買いしてしまいました。一番下は後に文庫化(しかも3巻は文庫のみで出版)されましたけど、だったら最初から文庫で出してくれというのが金払う側の本音ですわな。
刀語 第一話 絶刀・鉋 (講談社BOX)

刀語 第一話 絶刀・鉋 (講談社BOX)

こちらはコメントから。私は全巻発売と同時に買いましたが、この価格で全12巻となると学生さんとかは厳しいですよね・・・。ですがお昼ご飯をワンコイン以内で済ませている社会人も少なくないご時世ですから、つまりはみんなに優しくない価格設定という事になりますか・・・ある意味で足許見られているという気がしなくもないです。
ドラゴンキラーあります (C・NOVELSファンタジア)

ドラゴンキラーあります (C・NOVELSファンタジア)

こちらもコメントから。出来れば文庫で出して欲しいですよね・・・。

本が鈍器の代わりになる程に厚い

ページ数が多すぎるとやっぱり「うっ!?」っとなりますよね。
ライトノベルという事になるとこの人が抜きんでてますけどね。というか他の追随を許してませんね。

終わりのクロニクル 1(上) 電撃文庫 AHEADシリーズ

終わりのクロニクル 1(上) 電撃文庫 AHEADシリーズ

1000ページとか越えるって一体何が!?
ファンとしては読みでがあって嬉しいやら悲しいやらですが、どう考えても普段本を読まない層には売れないだろコレ。

重要な伏線や設定が本編以外で説明されている

どうしてそういう事になってしまったのか分からないけれども、普通に物語を追いかけていくと途中で意味が分からなくなるという作品。外伝(?)を読めって事らしいですが、そりゃ余りにも親切じゃないんではないかい?

鋼殻のレギオス (富士見ファンタジア文庫)

鋼殻のレギオス (富士見ファンタジア文庫)

このシリーズ、外伝(?)が全部で3冊出てるんですよね・・・どうして同じ文庫で出版してくれないんだ・・・。こちらはコメントで教えてもらいました。なにやら伏線の回収が酷いという話です。私は初期のものしか読んだことがないので具体的には分かりませんが・・・。

本編(長編)と短編(外伝)の雰囲気が違いすぎる

コメントで教えてもらいました。

長編シリアス、短編コメディという構成ですかね。今や外伝(いや本編なのか?)の方が巻数が出ているという不思議が起きているようです。もーなんでもアリですね。
キノの旅―The beautiful world (電撃文庫 (0461))

キノの旅―The beautiful world (電撃文庫 (0461))

学園キノ (電撃文庫 (1283))

学園キノ (電撃文庫 (1283))

こちらもコメントで教えてもらいました。キノというタイトルはついてますけど全く違う作品(外伝ではない)だとか。私の知っている範囲ではこのあたりですか。こちらのシリーズも長編と短編で雰囲気が真逆くらいには違いますよね。

タイトルに数字が含まれていないのでどこから読めばいいか分からない

これもライトノベル特有に近い現象かも知れませんね。
出版をリアルタイムで追いかけている分には問題ないんですけど・・・。一定数が刊行されてから追いかけようとすると「どれが1巻なんじゃらほい?」となって本屋で途方に暮れる。

オオカミさんと七人の仲間たち (電撃文庫)

オオカミさんと七人の仲間たち (電撃文庫)

などなど。他にも沢山ありますが。でもタイトルにナンバーを入れないのって販売戦略的にどうなんだろうねぇ・・・。
マリア様がみてる 1 (コバルト文庫)

マリア様がみてる 1 (コバルト文庫)

こちらはコメントから。1巻はまあ分かりますけど、後の話は出版順を確認しないと門外漢(例えば私)には全く分からないですね。また、長編であるというのも結構辛いとの事です。
殺×愛 0 ―きるらぶ ZERO― (富士見ファンタジア文庫)

殺×愛 0 ―きるらぶ ZERO― (富士見ファンタジア文庫)

こちらもコメントから。0巻ってなんだって話ですね。本屋に0巻がなくて1巻があったらあらかじめ知らない限り100%間違いますよね。私も後からシリーズを追いかけた口なので、混乱した記憶があります。

外伝が本編の時系列のどこに挟まるかリアルタイムで追いかけていないと分からない

コメントで教えてもらいました。
本編(長編)の時系列に割り込む形で外伝(短編)が書かれているのだけど、どの段階で短編を読めばいいのかがよく分からないという問題ですかね。

このシリーズ私も途中まで読んだんですが(本編のみ)、途中で投げた覚えがあります。あれって短編が間に入ってたからなのかな〜? まあそれはともかく、重大なネタバレなんかが短編側であったりすると、読むタイミングを間違えただけで色々と台無しですね。

完結してないのに長期に渡って次が出版されてない

打ちきりとは違う理由で続きが出ないというシリーズ。

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

メジャーどころだとこれとかですかね。ハルヒに限って「人気が無い」ってことはあり得ないですもんね。で、「驚愕」はいつになったら出版されるんでしょう? そういえばハルヒシリーズもタイトルに巻数が入ってないですね。
ラグナロク―黒き獣 (角川スニーカー文庫)

ラグナロク―黒き獣 (角川スニーカー文庫)

こちらはコメントで教えてもらいました。私はてっきり打ちきりになったものだと思っていました。こちらもコメントからですね。これが出版されていた頃ラノベから離れていましたので詳しく知らなかったんですが、普通に人気もあったはずですし、てっきり完結したものだと・・・。

出版されている巻数が多すぎる

ライトノベルに限った話じゃなく、漫画とかでもありがちですが。

ゼロの使い魔 (MF文庫J)

ゼロの使い魔 (MF文庫J)

長編シリーズは他にも沢山ありますけど、今も続いているシリーズだとこの辺りが巻数多いですかね。外伝含めると20巻以上出てます。まあ「巻数が出ている」=「人気作」なんで買う人は買うでしょうけど、これから一気に買うとなるとサイフの中身がすっごい気になりますね!
ブギーポップは笑わない (電撃文庫 (0231))

ブギーポップは笑わない (電撃文庫 (0231))

こちらはコメントで情報をもらいましたが、冊数多い+巻数表示無しの二重苦だそうです。

出版社が途中で変わる

コメントで教えてもらいましたが、最初から入れておくべきでしたね。

されど罪人は竜と踊る 1 ~Dances with the Dragons~ (ガガガ文庫)

されど罪人は竜と踊る 1 ~Dances with the Dragons~ (ガガガ文庫)

されど罪人は竜と踊る (角川スニーカー文庫)

されど罪人は竜と踊る (角川スニーカー文庫)

ちなみにこのシリーズの場合、私はスニーカー文庫版の1巻だけ持っていたりします。絶賛積まれていますが。
このシリーズに限らず、他にもそうした作品は結構ありそうな気がします。ですが長編で巻数が多く出ていたりする作品で「仕切り直し&話の内容も結構違う」とかになるとサイフにダメージ甚大ですね。
荒野の恋〈第1部〉catch the tail (ファミ通文庫)

荒野の恋〈第1部〉catch the tail (ファミ通文庫)

荒野

荒野

ライトノベルでは三部作だったはずが、最終刊だけ出版されないままフェードアウト。そして気がついたら他の出版社から三巻部分を含んだ一冊のハードカバーとして出版されるという・・・元々の作品のファンにとっては酷い仕打ちですよね・・・。
トリシア先生、大逆転!? (エンタティーン倶楽部)

トリシア先生、大逆転!? (エンタティーン倶楽部)

こちらはコメント欄で教えてもらいましたが、移転先が「児童書」という恐るべきシリーズです。なんかすっごく買いづらい・・・!

出版社のやり口が信用できない

余りの事に開いた口がふさがらないという所行をやらかしてしまった関係で、安心して次を待てないという問題作。

紅 醜悪祭 下 (集英社スーパーダッシュ文庫 か 9-7)

紅 醜悪祭 下 (集英社スーパーダッシュ文庫 か 9-7)

紅公式ファンブック (集英社スーパーダッシュ文庫)

紅公式ファンブック (集英社スーパーダッシュ文庫)

最近の例ではもうぶっちぎりでこのシリーズですよね。ファンブックに小説本編のラストをちょびっとだけ載せるという暴挙に出たという・・・どうしてこうなった。

出版社がライトノベルレーベルとしてはマイナー過ぎる

内容的にはライトノベルなんだけど、ライトノベルレーベルとしてはマイナーな関係で二の足を踏むというか、そんな感じ?

レイン〈1〉雨の日に生まれた戦士 (アルファポリス文庫)

レイン〈1〉雨の日に生まれた戦士 (アルファポリス文庫)

パラダイスロスト (メガミ文庫)

パラダイスロスト (メガミ文庫)

面白いとかつまらないとか以前の問題です。が、内容的には両方とも楽しんで読んでしまいました。下は新人さんのはずですが、何気に良作です。

レーベルそのものが終了

ぶっちゃけ富士見ミステリー文庫で出ている作品です。あれ? なくなるの確定していましたっけ?(確定しているそうです)

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

GOSICK ―ゴシック― (角川文庫)

GOSICK ―ゴシック― (角川文庫)

下のように角川文庫から同じ作品が復刊されてますが、武田日向のイラストが付いたヤツ以外は認めたくない! というファン心理がががが。

作者の執筆姿勢がなんとなく信用できない

・・・色々と前科がありすぎる感じ?

王都炎上・王子二人 ―アルスラーン戦記(1)(2) (カッパ・ノベルス)

王都炎上・王子二人 ―アルスラーン戦記(1)(2) (カッパ・ノベルス)

ミナミノミナミノ (電撃文庫)

ミナミノミナミノ (電撃文庫)

などなど。ファン以外は「完結してから買おうかな・・・?」という思考が頭をもたげる感じ。というか、完結するんでしょうか?

よく分からないが色々とモメたという噂が流れている

なんだか大人の事情で続きが出る気配が全然ないというアレです。有名どころでは

とかでしょうかね。いわゆる「打ちきり」ではない所がポイント。他にもそういうシリーズがあったら教えて欲しいですが。こちらはコメントから。詳しくは分かりませんが「原稿はあるのに出版されてない」とのこと(ソースは未確認です)。1巻は出ているみたいですから、2巻以降が出てないって事ですかね・・・打ちきり?

明らかに失敗したメディアミックス展開作品を先に見てしまった

一般的なのはアニメ化の失敗とかでしょうが、中には実写化した作品も。

しにがみのバラッド。 (電撃文庫)

しにがみのバラッド。 (電撃文庫)

とか・・・。上は「ヤシガニ」で有名、下は確か深夜にもの凄い感じの実写作品が放送されて・・・いた・・・ような・・・。

現物を読む前にあちこちのレビューサイトで絶賛されていたのを見てしまった

コメントで教えてもらいました。これは私では気がつかないですね。
つまり、あんまり前もって褒められていたりすると、自分が楽しく感じた気持ちが「レビューサイトの意見に影響された」ような感じがしてノリきれない・・・とか、そんな感じでしょうかね。

ベン・トー 1 サバの味噌煮290円 (スーパーダッシュ文庫)

ベン・トー 1 サバの味噌煮290円 (スーパーダッシュ文庫)

人類は衰退しました (ガガガ文庫)

人類は衰退しました (ガガガ文庫)

この辺りとかが当てはまるということです。確かにあちこちで褒められていましたね(ウチも褒めてましたが)。これを回避するにはもう感想系サイトを購入前には見ないしかないような気がしますが、どうなんでしょう?
コメントでは他にも「アニメに触発されて買うというのがイヤなので、購入前にアニメ化などが決まってしまうと、逆に購入意欲が無くなる」というものもありました。消費者の心理は複雑ですね。私も似たような気分になることがあります。

こんな感じですかね

他にも「こんな理由で買うに買えない」というライトノベルがあったら教えて欲しいです。