S.T.A.L.K.E.R. Shadow of Chernobyl

S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl (輸入版)

S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl (輸入版)

ついこの間

キモいグロい怖いFPSゲームがやりたいなんてFPSゲームについてのエントリを書いたり、さらにその前は最近はRPGとかよりFPSですかな(今はエントリのタイトル変わってます)なんてエントリを書いたりして、どっぷりとFPSゲーム漬けになっている私ですが、昨日は終日(!?)このゲームをやってました。

ストーリー

ロシア/チェルノブイリ原子力発電所近く。そこは例の原発事故の後の2006年、謎の爆発事故が再度発生。原因不明の爆発事故の後、チェルノブイリには高濃度汚染の結果閉鎖された土地——通称「zone」——と呼ばれる土地が広がってしまっていた。
放射能汚染の結果か、あるいは謎の爆発事故の結果か、「zone」は異様な生態系と化して謎の生物や奇怪な生成物などが存在していた。
そして2012年現在、「zone」はその特異な環境によって異常進化を遂げた生態系の脅威と、「zone」にて発生した生物の細胞や不思議な力を持った生成物を外部に売りさばくなどして生活する無法者が集まり、一つの魔窟と化していた。
「zone」で暮らす無法者達——彼らは「STALKER(ストーカー)」と呼ばれた。
STALKER達は幾つかの勢力に分かれてその危険地帯で生活しており、敵対勢力との闘争や危険生物との戦いなどを行いながら彼の土地で生きている。
ある夜、一台のトラックがチェルノブイリの平野を疾走していた。トラックの荷台は暗いないがらも人影が幾つも確認でき、しかもその人影は全て死体であるようだった。定期的にzoneの中心部からこうした死体搬送車が現れる。今晩のこの車もいつもと同じように死体を落として、去っていくかと思われたのだが、落雷が車を直撃し、車は爆発炎上。運転手を含め全てが荒野に投げ出された。
翌朝、一人のストーカーがその荷台から、生き残りを発見し、キャンプへと連れ帰った。しかし、救出された人物は全ての記憶を失っていた。「ある人物を殺せ」という指示の残されたPDAを一つだけ持ったまま——それがあなただ。
あなたは、PDAに残された命令を頼りに、自分の記憶を取り戻すべく、危険に満ちた「zone」での戦いを開始する。
ちなみに製品のオフィシャルページはここです。

まあその

これってその、

舞台設定とか倫理的に色々とどうなのよ?

という所にはとりあえず目をつぶるとですね、なかなか面白いのですね。
チェルノブイリへの旅行記(今やほぼ完全なゴーストタウンと化している)を扱った有名なページ(エレナのチェルノブイリへのバイク旅)がありますが、舞台イメージはこの恐るべき旅行記*1に近いですね。
とりあえず放射能汚染事故の恐怖をリンク先のページで味わって見て下さい。・・・原発のある日本では他人事じゃありませんから。

どんな雰囲気?

ゲームの舞台は

平原を中心に、廃屋や打ち捨てられた工場などが中心です。
風景は美しく、擬似的ではありますが生態系のシミュレーションなども行われていまして、異様な土地ではありますがそこで生きている人々や動物、植物などがなかなか美しく描かれ、そしてまたそれが怖いです。
昼/夕方・朝方/夜の違いもあれば、晴天/くもり/雨/雷雨/突風などなども発生しまして、景色は刻一刻と変わっていきます。

マップ移動によって大きく変わる雰囲気

マップによって雰囲気はかなり変わりますね。
移動にも大きな制限がなく、土地を自由に行き来できます(要所を抑えている敵勢力などを打ち倒せば、ですが)。
ゴミ捨て場になっているような所もあれば、湿地帯で薄暗いマップもあります。どのマップにしても雰囲気は十分ですね。つまりマイナス方向(不気味とか、物寂しいとか)にも十分って事です。
地区ごとにちょっと解説してみましょう(微妙にネタバレを含むので「やってみよう!」と思っている人は注意してください)。

  • Cordon地区

ゲームスタート地点を含む「zone」では最も風光明媚(?)な土地です。
風光明媚と言いつつも、凶暴化した野犬がモリモリ出て来て食べられて死んだり、ならず者集団の「Bandits」と呼ばれる連中が少数ながらもいたり、要所を「人を見たら撃ってくる」軍隊が守っていたりして、間違っても安全な土地ではありません。
それでも一番安心な土地である事は間違いありません。最初はビクビクと過ごす事になりますが、比較的マシな防具や、9mm弾や9x19弾が連射出来るサブマシンガンやライフル、あるいはショットガンなどのが手に入るようになると安心して過ごせる土地になります。

  • Garbage地区

通称ゴミ捨て場。
がらくたで出来上がったゴミの山があちこちに点在し、ゴミの山は放射のう汚染も激しいため初期装備でゴミの山に登るともれなく死ねる感じです。Banditsも沢山でてきますし、dutyと呼ばれる組織立った武装集団なども出てきますが、彼らはBanditsよりは遥かにマシで話も出来ますが、ある条件を満たさないと「zone」の奥に続く道を通らせてくれません。

  • Agroprom Research Institute地区

廃棄された実験施設のようなモノが点在する地区ですね。
軍隊の勢力下におかれていますが、ストーリー展開上避けて通れない場所です。Garbage地区よりは雰囲気的にはマシですが、銃弾の飛び交う量は断然こちらの方が多いですね。
また、隠された施設などもあり、そこがまた結構なおぞましさでして、ここで私は初めてさっちゃん(通称)と出会いました。その愛らしくもステキな特殊能力に心臓が止まりそうになってマウスとキーボードを放り投げたのは言うまでもありません。

  • Bar地区

そのままです。
STALKER達が集まる酒場があり、上でも出て来たduty達の本拠地があります。
序盤以降はここで仕事を受けたりとか、買い物をしたりなど色々やる事になるでしょう。中盤以降の憩いの場。・・・まあ妙に殺伐とはしてますが・・・。

  • The Dark Valley地区

Bandits連中の本拠地があり、その他のエグい施設なども完備している何とも物寂しくてやな所です。
また、ステキな地下廃棄施設なども取り揃えておりまして、やはり「這いずってジャンプして」の良い感じのナニが出てきます。えーっと、心臓がまた止まります。ドラム缶が・・・木箱が・・・俺の方に・・・。

  • Wild Territory地区

奇怪な生物やら、Bandits連中やらがあちこちにいて、色々と忙しい地区です。真夜中にスターライトスコープ無しで吶喊すると非常に緊張感の溢れるプレイができるでしょう。ぼーっとしてると比較的良い装備を付けていても結構死ねます。

  • yantar地区

このゲームでもトップクラスの怖いエリアですね。
湿地帯がマップ内に存在し、這いずる系の奇怪な生物の宝庫です。・・・イヤな宝庫ですね。ちなみにこのマップ内に存在する廃棄施設もイヤな感じトップクラスの荒廃っぷりですね。実に、実にキモイ。
ゲーム中、定期的にこのエリアに潜りたくなる私は多分マゾヒスト。

  • Army warehouses地区

duty連中と異なった主義のもと集っている武装集団・freedomの本拠地があるエリアですね。
人のいなくなった廃村などもマップ上に存在していて、ここでもさっちゃんと会ったり出来ます。結構景色のいい所のはずなんですが、さっちゃんのせいで妙にビクビクしてしまう自分が可愛いです。

  • Red forest地区

実際のチェルノブイリにもこのように呼ばれている森があるようですね。
例の原発事故の際、放射線を浴びた木々が暗闇の中で光ったという恐ろしい逸話のある所です——真偽は不明ですが。
ここら辺りまで来るとイカした狂信者集団「Monolith」の皆さんが重武装で陣取っており、やはりというかなんというか、一種独特の奇々怪々さを醸し出しています。
・・・余裕ができたらたき火を囲んでくつろいでいるMonolithの皆さんを双眼鏡などで遠くから観察してみましょう。実にぐるんぐるんです。・・・狂気を感じて妙に怖いです。

  • Pripyat地区

プリピャチと読んだはずです。実際に存在する(した)街の名前ですね。
現在の実情は巨大なゴーストタウンですが、ゲーム上では危険な連中のそろったエリアですね。強力な武装と防具を持っていない限り、攻略は苦しいでしょう。特に遠距離からヘッドショットが可能なレベルの精度を持ったスナイパーライフルが無いとかなり苦しいでしょうね。

  • Chernobyl NPP地区

原発です。
ゲームの最終舞台となる場所です。何が待っているかは・・・プレイして確かめてみて下さい。

つまり簡単に言えば

マップによっては荒廃した廃墟の中に散らばる兵隊の死体やら、放射能汚染によって異常な変貌を遂げた人間達などが怪物となって登場したりしてグロ&怖いがかなりパワーアップしたかと思えば、マップによってはとにかく敵の狙撃やら銃撃のパワーが激しくて撃ち殺される可能性が高く、全くもって油断出来ない! 

です。
怖さで言えば・・・廃棄された地下実験施設の探索なんてアナタ、確実にキンタマが縮みあがりますよ? あと寂れた感じも気合いが入ってます。これはもう廃墟マニアにもおすすめ
単純にゲーム的攻略の難しさで言えばラスト近くがやっぱり一番厳しいみたいです。とにかくぼーっとしてると一瞬で撃ち殺されます。

ゲームの進め方

歩いているだけで危険な高濃度汚染地帯や、ここでしか見られない異常とも言える自然現象などもありまして、基本的に気が抜けません。ただ、とにかく高い自由度はそのままこの作品の魅力ですね。
上記リンク先の以前のエントリで紹介した「QUAKE4」や「F.E.A.R.」はほぼ完全な室内空間での戦闘で、ストーリー展開は「一本道かつ避けられない戦い」という作りでしたが、この「S.T.A.L.K.E.R.」はミッションを受けたらそれをこなす必要がありますが、ミッションをいつ受けるかとかは自分である程度選択可能です
もちろん一度受けてから達成するまでの制限時間がシビアなミッションがあったりとか、依頼を達成するために赴いたさきで色々な回り道を要求されて、元のフィールドに戻れるようになるのに時間のかかるミッションもあります。そういった意味では時々もの凄く閉鎖的な状況に陥る事はありますね。

敵との交戦

場合によっては避ける事もできますし、中には友好的な行動をとるNPCなども存在しますし、またこちらの行動によってNPCの友好度も変化します。
ついでにプレイヤーキャラは腹も減りますし、持てる荷物にも限りがあるという・・・。
うーん、重量制限がついてお笑い/お遊び的要素を排した「メタルギア・ソリッド」って感じでしょうか。あるいは、銃弾の飛び交うろくでもない土地を舞台にした大人向けのシリアスな「ICO」ですかね
後半になると重量制限が結構シビアに感じてきますね。アイテムはあっても「重量制限のせいでそれが取れない」なんてことも。その辺りの取捨選択も知恵を絞るところですね。
私の場合は長距離射程での狙撃を可能とする精度を持ったアサルトライフルと、超近距離での破壊力を重視したショットガンを交互に使い分けている感じです。

しかも

初期装備の性能の悪いハンドガンとかだと、撃っても撃っても弾丸が敵にあたらないあたりとか妙にリアルです。撃たれれば防弾ベストとかも壊れていきますし(このゲームでは貴重な防具も消耗品!)、なんともイヤーな感じですね。
とにかく銃弾の補給とかは敵の死体を漁ったり、秘密の隠し場所を探したり、商人から購入したりという方法があります(どれも何となく陰惨ですな)。
まあ、ゲームシステム周りはPCゲーム道場という有名ページのここに詳しいですね。非常にタメになるページです。
単純に戦闘の爽快感とかだけ求めたら純粋アクションゲームに近い「QUAKE4」や、AIとの戦闘の駆け引きや戦術が楽しい「F.E.A.R.」の方が上ですが、生き残りをかけた戦略的な楽しさという意味ではこの「S.T.A.L.K.E.R.」が上ですね。
アクションの連続でアドレナリンドバドバという感じではないですが、独特の魅力のあるFPSゲームですね。

プレイを進めての追記

弾丸があたらないのは序盤だけで、優秀な武器が手に入る中盤から後半にかけてはどんどこ弾があたるようになりますが、敵のボディアーマーなんかも強まりますので、序盤にメインで使っていた5.45x39弾とかでは力が弱くてなかなか敵を倒せません。それでもフルメタルジャケットみたいな貫通力の高い弾ならまだ敵兵士なんかも倒しやすいんですけどね。
逆に化け物系だとストッピングパワーの高い銃弾の方がダメージ大きいみたい。・・・それにしてもキモグロイ。これは大当たりゲームだったかも・・・。
つーかラスト近くでは確実にヘッドショットを決めていかないと敵が強くて厳しいですね。格闘戦というか、狙撃戦?

・・・で、英語はどうするんだい?

これもなんとかなります。
またしても気合いの入った先駆者達がメニュー画面やメッセージ全般の日本語訳を可能にするMOD(追加モジュールですかね)を公開していまして、それを指定のフォルダに入れて起動してやれば日本語でプレイできます
えーっと、このページがその辺り詳しいですね。
ちなみにこのページで紹介されている日本語化MODは最新のゲームパッチのVersion 1.0004にもバッチリ対応してくれていまして*2最新バージョンも日本語で楽しめます。
ゲーム開始当所はビデオカードドライバのバージョンが古かったせいで色々とトラブルに見舞われましたが、現在は特に問題無く動いていますね。
つーか、こういうMODがあって、自由に適用出来るから*3PC版っていいよね。他のMODも沢山ありますよ。最新バージョンに対応してないものも多いみたいだけど・・・。

MODの種類

色々あります。

  • 光源を調整して風景の時間や天気による移ろいを美しくするMOD
  • 消耗していく装備を修理可能にするMOD
  • 重量制限を大幅に緩和させるMOD
  • ミッション達成の制限時間を無くすMOD
  • 重大なバグを回避するためのMOD(オフィシャルじゃないMODで対応:これ作った人イカすね!)

などなど。
導入するとゲーム性が180度位変わってしまうMODなんかもありますので、導入はやっぱり注意しましょう。ついでに言えば導入すると他のMODと衝突するようなMODもありますので、同時適用には注意しましょう。
最低難易度でも難しいよ! って人は重量制限の緩和MODか、ミッション達成の制限時間廃止MODを入れると良いんじゃないかな。これらは最新バージョンでも動くし、日本語化MODともバッティングしない・・・っぽい。

という訳で

すぐ殺せる/すぐ殺される/すぐ死ぬ/すぐセーブ出来るという「社会人向け:時間が無くても楽しめるFPSゲームの紹介でした。・・・あ、また死んだ。

ちなみに

自由度の高さと比例するようにバグも数限りなくあるみたいですね。
私も妙な所でクイックセーブして、そこからロードしてゲームを再開したら、ゲームキャラが道を完全に塞いでしまっていて、全く身動きが取れなくなったという事がありました。
・・・まあ、その道を塞いでいる連中をぶち殺せば通れたんでしょうけど、そうするつもりは全くなかったので、しばらく前のセーブポイントからやり直しました。
と言う訳で、クイックセーブだけではなく、メニューからも定期的にセーブをしておきましょう。そうですね・・・最低でも30分に一回位。クイックセーブはいつでもどこでも「気がついたらセーブ」位でやっておくと良いですね。

参考までに

私のプレイ環境を書いておきます。

  • CPU AMD 64 X2 4400
  • グラフィックス GeForce 6800 GS/256MB
  • メインメモリ 2GB DDR2SDRAM

FPSゲームとかやり込んでいる人達にとってみれば「ナニその中途半端な環境」という突っ込みが入りそうな感じですが、まあ十分プレイできてますね。
・・・あ、また死んだ。

プレイを進めての追記

グラフィックボードの性能は基本的に高いのが理想なのは間違いないですが、それに加えてメインメモリもかなりの容量を食うみたいですね。私は2Gという「一昔前ならハードディスク並み」の容量のメモリを積んでますが、それでもまれにカクカクします(画質MAXでプレイしているせいもありますが)。
というか総合的(CPU、メモリ、グラボ)にそれなりの環境を要求するゲームのようです。・・・持ってて良かったそこそこのマシン。

そうそう

いわゆる「FPS酔い」という奴ですが、どうもなりやすくなるプレイスタイルがあるみたいですね。それは・・・、

  • 画面を必死になって見てプレイする

私の場合、画面を見るというより「眺める」に近い形でプレイしています。車の運転と同じですね。免許取り立てはフロントウインドウ越しに必死に外を「見よう」として結果として視野が狭くなるという話がありますが、それをやると酔いやすいし、疲れやすいです。
なんとなく「ぼーっと」画面全体を眺めるようにプレイしましょう。

  • 画面を動かさずに目を動かして標的を追う

画面の端に標的がいる場合、つい目をそちらにやりたくなりますが、標的は目で追わずに視線は中央に固定。その上で敵を画面の中央に持ってくるように画面全体を動かすと疲れなくて良い感じです。酔い難くもなるみたいですよ。

総合

5つ星。
これは人によっては最高の拾い物の可能性がありますよ。作品全体の雰囲気とかで言えば前に紹介した「F.E.A.R.」の上を行きますかね。ムードがとても良いです。本当にチェルノブイリ近くに「zone」が存在していて、そこに入り込んでしまったんじゃないか? と思わせる感じがとっても良しです。
それと、繰り返し何度でもプレイしたくなる要素がコレでもかっ! っと詰まってるんじゃないかな? 年期の入ったFPSゲーマーの人はまた違った感想を持ちそうですが、新参者の私には十分な内容でした。
という訳でエントリのタイトルも変えてみたよ〜。

おまけ

一応2chのPCアクション板に「STALKER」スレがあって、「zone」深くに潜入した経験を持つ優秀なSTALKER達が沢山います・・・が! 基本はなんでも「自分で調べて何とかする」がSTALKERのルールです。じゃないと過酷な「zone」では生き残れません。
ついでに言えば、本作の続編シリーズが発売される様なので、そちらも大いに期待したい所です・・・PCスペックが心配ですが・・・。

参考リンク

PCゲーム道場  PCゲーム批評
相変わらずPCゲーム批評の中の人のレビューがお気に入りな私です。素晴らしい。

*1:ガイガーカウンター無しでの旅行が出来ない

*2:正しく神と言わずしてなんと言おう!

*3:もちろん自己責任で!